コンデンサ/トランジスタ/トランス/モータ/真空管…どんな部品もOK!
定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術
堀米 毅 著
A5判 384ページ
CD-ROM 1枚付き
定価3,520円(税込)
JAN9784789836395
2013年6月1日発行
好評発売中!
電子回路シミュレーションの問題…部品モデルが揃わない
よくあることですが,部品の電気的ふるまいを表す部品モデルが一つでも足りないとシミュレーションできません.
ところが…どんな部品もOK!
本書では定番電子回路シミュレータLTspiceを使って,コンデンサ/コイル/ダイオード/トランジスタからトランス/モータ/太陽電池/真空管まで,既存モデルを改造してほしい部品モデルを作ったり,チューニングしたりする方法を解説します.
参考になるさまざまな部品モデルを収録!CD-ROM付き
20タイプ以上のチューニング済み部品モデルを150個以上のほか,すべての記事関連データを収録したCD-ROMが付属しているので部品モデル作成の参考書として便利です.
目次
イントロダクション こんなにいいものありません!「電子回路シミュレーション」
第1部 LTspice電子回路シミュレーション スタートアップ
第1章 無償の電子回路シミュレータLTspice
1-1 LTspiceの特徴
1-2 LTspiceのいいところ
1-3 LTspiceの入手方法とインストール
Column(1-I) LTspiceをちゃんと使うために必要なこと
第2章 まずやってみよう!電子回路シミュレーション
2-1 交流電源からDC電圧を作る電源回路をシミュレーション
Appendix LTspiceの参考情報があるウェブサイト
第2部 部品モデル作りの基礎知識
第3章 部品モデルに必要なこと
3-1 部品モデルを使えるようにするには
第4章 SPICEモデルその1:パラメータ・モデル
4-1 だいたいの動作を把握するには十分!パラメータ・モデル
4-2 ケース1:パラメータ・モデル(SPICEモデル)と回路図シンボルが既に関連付けられている場合
4-3 ケース2:パラメータ・モデル(SPICEモデル)と回路図シンボルが関連付けられていない場合
Appendix パラメータ抽出ツールの入手方法と使い方
第5章 SPICEモデルその2:等価回路モデル
5-1 すべての部品が表せる!等価回路モデル
5-2 ケース1:等価回路モデル(SPICEモデル)と回路図シンボルが既に関連付けられている場合
5-3 ケース2:等価回路モデル(SPICEモデル)をLTspiceの標準回路図シンボルと関係付ける場合
5-4 ケース3:等価回路モデル(SPICEモデル)を新規の回路図シンボルと関係付ける場合
Appendix すべての部品は等価回路で表せる!アナログ・ビヘイビア・モデルによる酸素センサのモデル作成例
第6章 従来のPSpiceモデルをLTspiceモデルに置き換える方法
6-1 LTspiceは多くのPSpice用モデルをかなりそのまま使える
6-2 LTspiceでは使用できないPSpiceモデル
6-3 一部修正すればLTspiceに使用できるPSpiceモデル
6-4 PSpiceモデルをLTspiceで使用する場合の注意点
6-5 PSpiceの電圧制御電圧源(EVALUE)と電圧制御電流源(GVALUE)の再現
第3部 ためして合点!部品モデルの作り方
第7章 部品:抵抗 再現:インピーダンス特性
7-1 抵抗の等価回路モデル
7-2 カーボン皮膜抵抗のSPICEモデルを作成
7-3 セメント抵抗のSPICEモデルを作成
第8章 部品:汎用ダイオード 応用:整流回路
8-1 汎用ダイオード・モデルを作成して整流回路を再現
8-2 「汎用ダイオード」のモデル作成手順
8-3 手順1:順方向特性(IS,N,RS,IKF)を求める
8-4 手順2:接合容量特性(CJO,M,VJ)を求める
8-5 手順3:逆回復特性(TT)を求める
8-6 作成したモデルを使った電子回路シミュレーション
Column(8-I) モデル作成ツールPSpice Model Editorの無償評価版
Appendix 部品モデルの善しあしの評価…汎用ダイオードの例
第9章 部品:電解コンデンサ 応用:整流/電源回路
9-1 電解コンデンサのモデルを改良して整流回路のリプル波形を再現
9-2 コンデンサのSPICEモデル
9-3 3素子モデルのパラメータを求める方法
9-4 モデル作成&チューニングのための準備! インピーダンス特性をシミュレーションで求める
9-5 チューニング!
9-6 補足:セラミックやフィルムの場合は?
9-7 作成したモデルを使ってシミュレーション
Column(9-I) 大電流では配線パターンの等価回路が必要
Appendix 等価回路モデルを一つの部品として扱う方法
第10章 部品:ショットキー・バリア・ダイオード 応用:誘導負荷の駆動回路
10-1 目標:ショットキー・バリア・ダイオード・モデルを作成して誘導負荷回路を再現
10-2 モデル作成手順
10-3 手順1:エネルギ・ギャップ(EG)を決定する
10-4 手順2:順方向特性(IS,N,RS,IKF)を求める
10-5 手順3:容量特性(CJO,M,VJ)
10-6 逆回復時間(TT)を求める
10-7 手順5:デバイスの耐圧(BV,IBV)を求める
10-8 手順6:モデル・パラメータを微調整する
10-9 作成したモデルを使ってシミュレーションしてみる
Appendix A 部品の温度解析…SiC MOSFETの高温解析の例
Appendix B きめ細かく忠実に特性を表現できる等価回路モデル
第11章 部品:コイル 応用:スイッチング電源回路
11-1 目標:コイルのSPICEモデルを作成して,スイッチング電源回路の出力ノイズを再現
11-2 コイルのモデルのいろいろ
11-3 2素子モデルを使った標準的なスイッチング電源のシミュレーション
11-4 基本中の基本「3素子モデル」の作り方
Column(11-I) コイルの直流重畳特性をモデリングする方法
Column(11-II) チョーク・コイルのSPICEモデル
第12章 部品:パワーMOSFET 応用:DC-DCコンバータ回路
12-1 パワーMOSFETのSPICEモデルを作成して,DC-DCコンバータ回路の動作を再現
12-2 パワーMOSFETのSPICEモデル
12-3 パワーMOSFETのSPICEモデル作成手順
12-4 〜MOSFET本体のモデル〜 手順1:製造プロセス情報(L,W,TOX)を求める
12-5 手順2: 順方向伝達コンダクタンス特性(KP)を求める
12-6 手順3:伝達特性(VTO)を求める
12-7 手順4:ドレイン-ソース間オン抵抗(RD)を求める
12-8 手順5:ドレイン-ソース間シャント抵抗(RDS)を求める
12-9 手順6:ゲート・チャージ特性(CGSO,CGDO)を求める
12-10 手順7:端子間容量特性(MJ,PB)を求める
12-11 手順8:ゲート・オーミック抵抗(RG)を求める
12-12 〜ボディ・ダイオードのモデル 〜 手順9:ボディ・ダイオードのI-V特性(IS,N,RS,IKF)を求める
12-13 手順10:ボディ・ダイオードの逆回復特性(TT)を求める
12-14 手順11:ボディ・ダイオードのその他のモデル・パラメータ(BV,IBV)を求める
12-15 〜ESD保護素子のモデル〜 手順12:保護ダイオードのSPICEモデルの追加
12-16 〜MOSFET全体のモデルの作成〜 手順13:パッケージの影響を表現する
12-17 手順14:本体,ボディ・ダイオード,ESD保護素子,端子間の抵抗成分を合体する
Column(12-I) パワーMOSFETパッケージの影響をモデルに組み込む
第13章 部品:電源制御IC 応用:DC-DCコンバータ回路
13-1 電源制御ICのSPICEモデルを作成して,DC-DCコンバータ回路の動作を再現
13-2 ICのモデリングのコモンセンス
13-3 必要な機能と調べたい性能を決める
13-4 チョーク・コイルと電解コンデンサのSPICEモデル
13-5 シミュレーション波形を調べてみる
第14章 部品:バイポーラ・トランジスタ2SC1815 応用:LEDドライブ
14-1 バイポーラ・トランジスタのSPICEモデルを作成して,LEDドライブ回路動作を再現
14-2 バイポーラ・トランジスタのSPICEモデルを作成する
14-3 バイポーラ・トランジスタのSPICEモデル作成手順
14-4 手順1:逆方向アーリー電圧より,モデル・パラメータ(VAR)を求める
14-5 手順2:逆方向ベータ特性より,モデル・パラメータ(BR,IKE,ISC,NC)を求める
14-6 手順3:ベース-エミッタ間飽和電圧より,モデル・パラメータ(IS,RB)を求める
14-7 手順4:順方向アーリー電圧より,モデル・パラメータ(VAF)を求める
14-8 手順5:順方向ベータ特性より,モデル・パラメータ(BF,IKF,ISE,NE,NK)を求める
14-9 手順6:コレクタ-エミッタ間飽和電圧より,モデル・パラメータ(RC)を求める
14-10 手順7:ベース-コレクタ間容量特性より,モデル・パラメータ(CJC,VJC,MJC)を求める
14-11 手順8:ベース-エミッタ間容量特性より,モデル・パラメータ(CJE,VJE,MJE)を求める
14-12 手順9:スイッチング特性(下降時間)より,モデル・パラメータ(TF)を求める
14-13 手順10:スイッチング特性(蓄積時間)より,モデル・パラメータ(TR)を求める
第15章 部品:白色発光ダイオード 応用:LEDドライブ回路
15-1 白色発光ダイオードのSPICEモデルを作成して,LEDドライブ回路の波形を再現
15-2 白色LEDの特徴と駆動方法
15-3 LEDのSPICEモデルの作り方
15-4 手順1:順方向特性(IS,N,RS,IKF)を求める 〜汎用ダイオードと比べて測定ポイントを多くする〜
15-5 手順2:容量特性(CJO,VJ,M)を求める 〜逆電圧は絶対に大きくし過ぎない!5Vまで〜
15-6 手順3:逆回復特性より,(TT)を求める 〜小さいIRで逆回復時間を計らなければならない〜
15-7 手順4:デバイスの耐圧より(BV,IBV)を求める
15-8 完成したLEDモデルをドライブ回路に組み込んでシミュレーション
第16章 部品:エミフィルとプロードライザ 応用:FPGA用電源回路
16-1 FPGA用電源回路の出力特性を再現する
16-2 入力側フィルタのSPICEモデルを作成する
16-3 出力側フィルタのSPICEモデルを作成する
16-4 作成したフィルタのモデルを使ってシミュレーション
Column(16-I) LTspiceにはリニアテクノロジーの電源ICモデルが用意されている
第17章 部品:IGBT 応用:モータ駆動回路
17-1 IGBTのSPICEモデルを作成してモータ駆動回路の動作を再現
17-2 モデル作成前に…IGBTの特徴
17-3 IGBTのSPICEモデル
17-4 IGBTのSPICEモデルを作る手順
17-5 準備1:SPICEモデル作成を効率よく行うための準備
17-6 準備2:合わせこみに使わないパラメータを設定
17-7 手順1:伝達特性に関わるパラメータを決定する
17-8 手順2:飽和特性に関わるパラメータを決定する
17-9 手順3:ゲート・チャージ特性に関わるパラメータの決定
17-10 手順4:スイッチング特性(上昇時間)に関わるパラメータの決定
17-11 手順5:スイッチング特性(下降時間)に関わるパラメータの決定
17-12 手順6:その他に必要なパラメータ値の入力
17-13 完成したIGBTモデルをモータ駆動回路に組み込んでシミュレーション
第18章 部品:DCモータ 応用:モータ駆動回路
18-1 DCモータのSPICEモデルを作成してモータ・ドライブ回路の動作を再現
18-2 DCモータのSPICEモデルを作成する前に…
18-3 DCモータの3種類のSPICEモデル
18-4 作成手順
18-5 準備1:トルク定数Ktの計算
18-6 準備2:逆起電力の定数Keの計算
18-7 手順1:周波数測定に関わるパラメータの決定
18-8 手順2:電流波形に関わるパラメータの決定
18-9 手順3:電圧波形に関わるパラメータの決定
18-10 手順4:部分的パラメータの最適化
18-11 完成したDCモータのSPICEモデルの機能
18-12 IGBTをドライブするフォトカプラのモデル
18-13 完成したDCモータのSPICEモデルを組み込んでシミュレーション
Column(18-I) ステッピング・モータのSPICEモデル
第19章 部品:トランス 応用:絶縁型スイッチング電源
19-1 トランスのSPICEモデルを作成してスイッチング電源の動作を再現
19-2 3種類のSPICEモデル
19-3 インダクタンス周波数特性+結合係数モデルの作り方
19-4 手順1:1次側に関わるパラメータの決定
19-5 手順2:2次側に関わるパラメータの決定
19-6 手順3:リーケージ・インダクタンスに関わるパラメータの決定
19-7 手順4:ネットリストにまとめる
19-8 トランス以外のデバイスのSPICEモデル作成
19-9 絶縁型フライバック・コンバータ回路に組み込んで再現シミュレーション
第20章 部品:太陽電池 再現:日照変化時の出力特性
20-1 LTspiceでシミュレーションできる範囲
20-2 基礎知識…太陽電池のデータシートの見方
20-3 太陽電池の等価回路とシミュレーション結果
20-4 等価回路のパラメータを決めてモデルを完成させる
20-5 天候に応じた出力特性の表現方法
第21章 部品:真空管 応用:オーディオ・アンプ
21-1 三極管の特性と等価回路
21-2 三極管のSPICEモデルを作成
21-3 三極管シングル電力増幅回路を設計
21-4 やってみよう!真空管アンプのシミュレーション
第22章 部品:スピーカ 再現:シミュレーション波形を音声ファイルとして聴く!
22-1 スピーカのSPICEモデル
22-2 準備:スピーカの周波数特性(インピーダンス特性)を取得する
22-3 手順1:電気系のインピーダンスに関わるパラメータの決定
22-4 手順2:機械系のインピーダンスに関するパラメータの決定
22-5 手順3:ネットリストにまとめる
22-6 スピーカのSPICEモデルの周波数特性をシミュレーションする
22-7 音源の回路を作成してファイル出力
※本書は,トランジスタ技術2011年7月号〜2012年7月号に掲載された連載「電子回路シミュレータLTspiceで実波形を再現!」を中心に加筆・修正を行い,さらに書き下ろし記事を追加して再構成したものです.