電子回路の動作をパソコンで疑似体験!
電子回路シミュレータPSpice入門編
棚木 義則 編著
A5判 264ページ
CD-ROM付き
定価1,980円(税込)
JAN9784789836272
2003年11月1日発行
好評発売中!
電子回路シミュレータを使えば,パソコン上に回路図を描いてボタンをクリックするだけで,動作波形や周波数特性などがパッと画面に表示されます.半田ごてを握って回路を作り,測定器をつなぐ必要はありません.電子回路シミュレータは,波形解析や周波数特性解析だけでなく,FFT解析や温度解析などたくさんの便利な機能をもっています.しかし上手に使いこなさないと,正しいシミュレーション結果は得られません.
本書では,インストールと操作の方法だけでなく,回路の特性や動作の正しい解析結果を得るテクニックを,シンプルな回路を動作させながら解説しました.付属CD-ROMには,電子回路シミュレーション・ソフトウェア OrCAD Family Release 9.2 Lite Editionや2SC1815などのデバイス・モデルが収録されています.
目次
付属CD-ROMのコンテンツと使い方
〜はじめにお読みください〜
コンテンツ
OrCAD Family Release 9.2 Lite Edition
シミュレーション用データ・ファイル
トラ技ライブラリ・データ・ファイル
Adobe Reader 6.0(日本語版)
9.2LEの動作環境と制限事項
パソコンの要件
シミュレーション用データ・ファイルの解凍の方法
第1章 プロローグ…電子回路シミュレータSPICE事始め
〜回路の動作検証/定数設計/特性改善に活用できる〜
1.1 SPICEでできること
回路を作らなくても動作を確認できる
回路を作らなくても特性を良くする方法がわかる
部品を壊すことも感電することもない!
1.2 SPICEは道具にすぎない…使いこなすには回路の知識が不可欠
解析結果を評価する力が要る
SPICEの部品は理想部品であり実際と異なる
1.3 馬鹿とはさみは使いよう…SPICEを活用せよ!
決め手はモデリングにあり!
何でも現実に近づければ良いというものじゃない
第1部 PSpiceのインストール&操作マニュアル
〜周波数特性解析や波形解析などの基本テクニックからパラメトリック解析まで〜
第2章 シミュレータをインストールする
〜ツールの概要とセットアップの方法〜
2.1 OrCAD Family Release 9.2 Lite Editionの制限事項
・回路の規模に関するもの
・部品モデルの生成と編集に関するもの
・信号源の作成や編集に関するもの
・解析表示機能に関するもの
・定数の最適化機能に関するもの
・Run/Pause機能に関するもの
・シミュレーション用部品の数に関するもの
・そのほか
2.2 インストール前の三つの注意事項
ファイル・タイプの設定が更新される
システム・ファイルMSVCRT40.dllをフロッピ・ディスクにコピーして保存すること
Capture CISはインストールしないこと
2.3 さっそくインストール
インストール前の確認事項
インストール・プログラムの起動
Windows NTとWindows2000へのインストール
Windows 95/98/Meへのインストール
インストールする製品の選択…CaptureとPSpiceをチェックする
Capture CISはチェックしない!
Layoutもインストールしない!
インストール先ディレクトリの選択
プログラム・フォルダ名の指定
インストール内容の確認
Adobe Reader 6.0のインストール
インストール終了
2.4 日本語ヘルプとチュートリアルのインストール
インストール・プログラムの起動
インストール・ドキュメントの選択
ファイル・コピーの開始とインストールの終了
2.5 Windows 95/98/98SEユーザへ… Windowsシステム・ファイルの修復について
インストール後にエラーが発生したら
インストール前に,必ずMSVCRT40.dllをフロッピ・ディスクにコピーする
MS-DOSモードで起動する
MSVCRT40.dllを書き戻す
第3章 シミュレーション回路を描く
〜PSpiceの起動と基本操作〜
3.1 インストールが終了したら…
メニューの内容
3.2 プロジェクトの開始
シミュレータを起動する
プロジェクトを作成する
3.3 RCフィルタの回路図作成
回路図縮尺の変更
パーツの呼び出しと配置そしてライブラリの追加
抵抗(R)の呼び出し
コンデンサ(C)の呼び出し
電圧源の呼び出し
グラウンドの配置
素子には必ずデバイス名をつける
端子間を配線する
間違えて配線したときの消去方法
属性の編集(定数入力)
属性の移動
スケール記号のつけ方
第4章 ゲインや位相の周波数特性を調べる「AC解析」
〜ネットワーク・アナライザのように〜
4.1 Simulation Profileの作成
PSpice ADでできる解析の種類
解析モードを選び条件を設定する Simulation Profileの作成
マーカの配置
4.2 いよいよシミュレーションの実行
4.3 計算結果を表示する機能メモ
画面の色の変更
X軸の表示範囲と目盛りの設定
コラム ネットリストとは
Y軸の追加
位相とゲインを別々のグラフに表示する
Probeとマーカ
カーソルを利用した値の直読
キーボードを使用したカーソルの移動方法
グラフ・フォーマットの復活
シミュレーション・グラフをほかのアプリケーションにbmpで渡す
Appendix A 解析結果をExcelで利用する方法
解析データをテキスト・ファイルに出力する
Excelを起動してクリップ・ボード上のデータを貼り付け,グラフ表示する
Appendix B ショートカット利用の勧め
第5章 電圧や電流の波形を調べる「過渡解析」
〜信号の時間変化をオシロスコープのように表示する〜
過渡解析とは
5.1 過渡解析の準備
電圧源を変える
属性の編集
Simulation Profileの編集
マーカの配置
5.2 シミュレーションの実行
過渡応用波形の比較
第6章 直流の入出力特性を調べる「DC解析」
〜電圧や電流の静特性を調べる〜
DC解析とは
6.1 DC解析の準備
インバータ回路を例にする
新規プロジェクトの作成
回路図を描く
Simulation Profileの作成
リニアにスイープするには
6.2 シミュレーションの実行
温度を変化させる
第7章 定数変化に対する特性の変動を調べる「パラメトリック解析」
〜回路定数の決定やトラブル・シュートに有効〜
パラメトリック解析とは
7.1 解析の準備
電圧源を変えてPARAMシンボルを配置する
属性の編集
Simulation Profileの編集
マーカの配置
7.2 シミュレーションの実行
第8章 素子のばらつきが特性に与える影響を調べる「モンテカルロ解析」
〜回路の歩留まり予測と部品精度の決定に役立つ〜
モンテカルロ解析とは
8.1 解析の準備
誤差の入力
Simulation Profileの編集
マーカの配置
8.2 シミュレーションの実行
ヒストグラムの表示
グラフ・シンボルを表示しない方法
希望のグラフにシンボルを表示させる方法
第9章 モデル・ライブラリの使い方と拡充の方法
〜PSpice付属ライブラリとトラ技オリジナル・ライブラリを組み込む〜
9.1 9.2LE標準のライブラリ
abm
analog
breakout
eval
source
special
9.2 トラ技ライブラリ
ダイオード
トランジスタ/FET
OPアンプ
9.3 9.2LEでトラ技ライブラリを使用するには
トラ技ライブラリtoragi.libとtoragi.olbをCドライブにコピーする
PSpiceにトラ技ライブラリを組み込む
Appendix モデル・ライブラリを拡充する
ライブラリのダウンロード
ライブラリをPSpiceに組み込む
第10章 シミュレーション・エラーへの対処方法
〜シミュレーションが実行されない理由と対策〜
10.1 Captureに描いた回路の不備によるエラー
10.2 回路情報はOKだがPSpiceで解析しようとすると起きるエラー
ERROR--Node N000471 is floating
ERROR--Voltage source and/or inductor loop involving L_L1
第2部 PSpiceを使いこなそう!
〜実際の回路を動かしながら解析機能を100%活かす方法をマスタする〜
第11章 1石トランジスタ回路のシミュレーション
〜シンプルな回路を例に上手いシミュレーションのやり方をマスタする〜
The way of SPICE master…三つの基本解析モードをものにしよう!
11.1 エミッタ共通増幅回路の回路図を描く
万能型電圧源VSRCを使う
コンデンサC2の負荷側の直流電位を定める
パスコンは不要…解析時間が伸びるだけ
回路図の接続点に名前を付ける
11.2 基本技その1「DC解析」
DC解析とは…テスタと直流電源装置で静特性を測定するような感覚
解析の準備
解析の実行
11.3 基本技その2「AC解析」
AC解析とは…ネットワーク・アナライザを使うような感覚
解析の準備
解析の実行
11.4 基本技その3「過渡解析」
過渡解析とは…オシロスコープを使うような感覚
解析の準備
解析の実行
FFT表示機能でひずみ成分を見る
方形波応答を見る
11.5 必殺技その1「パラメトリック解析」
特性が最適になる定数を知りたいときに使う
解析の準備
解析の実行
11.6 必殺技その2「モンテカルロ解析」
素子のばらつきが特性に与える影響を予測できる
解析の準備
解析の実行
コラム シミュレーション・モードの切り替え
第12章 抵抗,コンデンサ,コイルのシミュレーション
〜電子回路の基本部品を動かしながらPSpiceのしくみを見る〜
12.1 抵抗
抵抗に直流電流を流してみる
R1に交流電流を流してみる
キルヒホッフの法則をシミュレーションで見てみる
12.2 コンデンサ
コンデンサの性質
交流電圧源を入力する
解析結果…電流位相が電圧より90°進む
式(12-2)と解析結果の照合
電流振幅は周波数が高くなるほど大きくなる
コンデンサの性質のまとめ
容量性リアクタンスとコンデンサに流れる電流の関係
12.3 コイル
コイルの性質
コイルに直流電圧を加える…大きな電流が流れる
コイルに交流電圧を加える
解析結果…電流位相が電圧より90°遅れる
式(12-6)と解析結果の照合
電流振幅は周波数が高いほど小さい
コイルの性質のまとめ
誘導性リアクタンスとインダクタに流れる電流の関係
初期値IC=-1を設定した理由…過渡状態をパスするため
過渡現象を見てみる
電圧の位相によっては過渡現象は出ない
第13章 1石〜4石トランジスタ回路のシミュレーション
〜エミッタ共通回路からIC回路の定石 差動増幅回路まで〜
トランジスタを使った回路設計は面白い!
13.1 エミッタ共通回路を動かす
直流特性
交流特性
13.2 ベース共通回路を動かす
エミッタ共通からベース共通に改造する
13.3 コレクタ共通回路を動かす
エミッタ共通からコレクタ共通に改造する
13.4 ソース共通回路を動かす
FETにはエンハンスメント型とディプリーション型がある
コラム MCカートリッジのヘッド・アンプとは?
ソース共通回路を動かす
13.5 2石以上のトランジスタ回路
カレント・ミラー回路
コラム NチャネルJFETはドレインとソースが対称に作り込まれている
高精度カレント・ミラー回路
差動増幅回路
第14章 発振回路と変調回路のシミュレーション
〜ウィーン・ブリッジ型発振回路とAM変調回路を動かしてみよう!〜
14.1 ウィーン・ブリッジ型正弦波発振回路
動作の説明
振幅安定化のしくみ
シミュレーション
コラム Vz=6.2Vのツェナ・ダイオードを作る
14.2 AM変調回路
AM変調とは
シミュレーション
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