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FET/パワーMOS/スイッチング回路を実験で解析
定本 続トランジスタ回路の設計

鈴木 雅臣 著
A5判 360ページ
定価2,883円(税込)
JAN9784789830478
1992年12月20日発行
好評発売中!
定本 続トランジスタ回路の設計

 増幅回路以外にも広く使われているトランジスタ.さらにパワーMOS FETの台頭により応用分野が広がってきたFET.FET増幅回路の基礎実験からはじまり,スイッチング回路から発振回路までをやさしく実験で解説しています.

目次

第1章 トランジスタとFETとICと
 1.1 なぜトランジスタやFETが…
    ICを使うメリット/デメリット
    トランジスタやFETを使うメリット/デメリット
    ICとトランジスタ,FETの使い分け
    使い分けるには技術が必要
 1.2 自分でICを設計できる時代になってきた
    自分でICが設計できると…
    アナログ回路もこれからは(CMOS)FET

第2章 FET増幅回路を動かす
    [動く姿とFETのしくみを理解しよう]
 2.1 増幅回路の波形を見る
    3倍のアンプ
    ゲートにはバイアスをかける
    ゲート-ソース間電圧が0.4V
    FETは電圧制御素子だ
    出力はソース電流の変化分だ
    ドレインの位相は逆になる
    バイポーラ・トランジスタ回路との違い
 2.2 FETの動作原理
    二つのデバイス JFETとMOS FET
    FETのしくみ
    FETの回路記号
    JFETの伝達特性
    増幅度は相互コンダクタンスgmで
    実際の素子の相互コンダクタンス
    MOS FETの伝達特性
    MOS FETの相互コンダクタンス

第3章 ソース接地増幅回路の設計
    [FET増幅回路の基本動作を理解しよう]
 3.1 増幅回路を設計する前に
    ソース接地増幅回路の直流電位を求める
    交流的な電圧増幅度を求める
    FETを換えてみると
    FETの代わりにトランジスタを入れると
 3.2 増幅回路を設計してみよう
    電源電圧を決める
    FETを選ぶには
    低周波低雑音用の2SK184を使う
    ドレイン電流の動作点を決める
    RDとRsを決める
    電力損失について計算すると
    ゲート・バイアス回路の設計
    必ずたしかめ算を行おう
    コンデンサC1,C2の決め方
    FET回路でもパスコン重要
 3.3 作った増幅回路の性能
    入力インピーダンスを測ると
    入力インピーダンスの高いことを確認する
    出力インピーダンスは
    増幅度と周波数特性
    高域のカットオフ周波数
    FETを換えて高周波特性を見る
    入力容量が大きく見えるミラー効果とは
    増幅度を大きくしたいとき
    電圧利得と周波数特性の関係
    雑音特性をみると
    全高調波ひずみ率
 3.4 「ソース接地増幅回路」の応用回路
    NチャンネルJFETと負電源を使った回路
    JFETをゼロ・バイアスで使った回路
    150MHz帯同調増幅回路
    高利得・高入力インピーダンス増幅回路
    高入力インピーダンス低雑音増幅回路
    簡単に作れる低電流回路

第4章 ソース・フォロワ回路の設計
    [パワーMOSを使いこなすために]
 4.1 ソース・フォロワを動かす
    ソース接地回路との違い
    波形を見ると…入力と出力が同じだ
    出力インピーダンスが低い理由
 4.2 ソース・フォロワ回路を設計してみよう
    電源電圧を決める
    FETを選ぶ
    FETに要求される条件
    バイアス回路の設計
    ソース抵抗Rsの決め方
    FETの発熱…ドレイン損失を計算する
    最大使用温度を確認しておく
    コンデンサC1,C2の決定
    電源のデカップリング・コンデンサ
 4.3 作ったソース・フォロワの性能
    入力インピーダンスの測定
    出力インピーダンスは
    負荷抵抗が重くなったとき
    プッシュプルにすると
    パワーMOS FETのとき
    振幅周波数特性を測定する
    雑音および全高調波ひずみ率
 4.4 「ソース・フォロワ回路」の応用回路集
    NチャンネルJFETと負電源を使った回路
    PチャンネルJFETと負電源を使った回路
    ソース・フォロワ+定電流負荷
    JFETを用いたプッシュプル・ソース・フォロワ
    FETとトランジスタの混成ダーリントン接続
    ソース・フォロワ+OPアンプ
    OPアンプ+ソース・フォロワ

第5章 FETオーディオ・パワー・アンプの設計・製作
    [パワーMOSによる電力回路の試み]
 5.1 オーディオ・パワー・アンプ回路構成の検討
    トランジスタ回路ではベース電流が必要だが…
    MOS FETだと回路が簡素化できる
    トランジスタ回路では熱暴走防止回路が必要だった
    MOS FETでは熱暴走がない
    それでも簡単な温度補償回路を付ける
 5.2 MOS FETパワー・アンプの設計法
    製作するアンプの仕様
    はじめに電源電圧を決める
    OPアンプの電源回路は3端子レギュレータで
    ソース・フォロワ用FETの選択
    放熱器と電流制限抵抗が必要
    ソース・フォロワのバイアス回路構成
    バイアス用定電流源の検討
    温度補償用トランジスタの選択
    バイアス電圧 VBを決めるには
    OPアンプによる電圧増幅段
    入力回路周辺に使う部品
    回路をうまく動作させるための部品
    スピーカ負荷への対策
 5.3 作ったパワー・アンプの調整と性能評価
    回路の動作波形
    温度補償回路の動作
    オーディオ・アンプとしての性能…f特とノイズ特性
    ひずみ率とトランジスタ・アンプとの比較
 5.4 オーディオ・パワー・アンプの応用回路集
    パラレル・プッシュプル・ソース・フォロワ
    オーディオ用100Wパワー・アンプ

第6章 ゲート接地増幅回路の設計
    [増幅回路の周波数特性を改善するために]
 6.1 ゲート接地の波形を見る
    実験する回路の構成
    非反転で3倍のアンプ
    ソース波形とドレイン波形は同相
 6.2 ゲート接地回路を設計してみよう
    電源電圧とFETの選択
    交流的な増幅度を求める
    Rs,R3,RDの決め方
    最大出力電圧を求めると
    バイアス回路の設計
    コンデンサC1〜C5の決め方
 6.3 作ったゲート接地回路の性能
    入出力インピーダンスを測定する
    高いインピーダンスへの対策
    増幅度と周波数特性
    高周波での特性
    周波数特性が良い理由
    入力容量Ciが特性に影響しない証拠
    2SK241の場合はなぜ良くならない?
    雑音および全高調波ひずみ率
 6.4 「ゲート接地増幅回路」の応用回路集
    ビデオ・アンプ
    カスコード接続の増幅回路
    カスコード・ブートストラップ回路
    低雑音高入力インピーダンス増幅回路

第7章 電流帰還型OPアンプの設計・製作
    [新時代高速OPアンプの試み]
 7.1 電流帰還型OPアンプとは
    従来のOPアンプ…電圧帰還型
    新しい形のOPアンプ電流帰還型
    電圧帰還型OPアンプと電流帰還型OPアンプの比較
 7.2 電流帰還型OPアンプの基本構成
    入力バッファとトランス・インピーダンス
    出力段の構成…エミッタ・フォロワ
 7.3 電流帰還型ビデオ・アンプの設計・製作
    ビデオ・アンプとしての設計
    まずは電源電圧とトランジスタの選定
    エミッタ電流値から各抵抗値を決める
    ソース・フォロワの設計
 7.4 作ったビデオ・アンプの性能
    回路のチェック
    出力インピーダンスを測ると
    利得と周波数特性の実測
    電圧帰還型OPアンプと比較すると
    周波数特性を良くするには
    方形波応答を見る
    ビデオ・アンプの雑音特性
    トランス・インピーダンスの測定
    出力オフセットの原因は?
 7.5 「電圧帰還型OPアンプ」の応用回路集
    カスコード・ブートストラップ化したビデオ・アンプ
    入力段にトランジスタを用いた電圧帰還型アンプ
    カレント・ミラーを用いた電圧帰還型アンプ

第8章 トランジスタ・スイッチング回路の設計
    [パワー・ドライブ技術を実験する]
 8.1 エミッタ接地型トランジスタ・スイッチング回路
    トランジスタのスイッチングとは
    増幅回路からスイッチング回路へ
    スイッチング波形を観測すると
    コレクタをオープンにすると
 8.2 エミッタ接地スイッチング回路の設計
    スイッチング・トランジスタの選択
    大きな負荷電流が必要なとき
    バイアス回路R1,R2の決定
    スイッチングは遅い…μsオーダ
 8.3 スイッチングを速くするには
    スピードアップ・コンデンサをつけると…
    ショットキ・クランプを試してみると
    出力波形の立ち上がりスピードを上げるには
 8.4 エミッタ・フォロワ型スイッチング回路の設計
    エミッタ・フォロワに大振幅を入れると
    スイッチングは速い
    設計するスイッチング回路の仕様
    トランジスタの選択
    バイアス抵抗 R1の決定
 8.5 トランジスタ・スイッチング回路の応用
    リレーを駆動する回路
    LED表示器ダイナミック駆動回路(エミッタ接地)
    LED表示器ダイナミック駆動回路(エミッタ・フォロワ)
    フォト・カプラのドライブ回路

第9章 FETスイッチング回路の設計
    [パワーMOS利用技術の原点を実験する]
 9.1 JFETを使ったソース接地型スイッチング回路
    NチャンネルJFETに正弦波を入力すると
    PチャンネルJFETに正弦波を入力すると
    JFETの伝達特性を考える
    正弦波入力波形がクリップする理由
    スイッチング波形を見る…ノーマリONとノーマリOFF
    FETは高速スイッチングが可能
    JFETスイッチ回路を設計するときの注意点
 9.2 MOS FETを使ったソース接地型スイッチング回路
    MOS FETに正弦波を入力すると
    MOS FET回路の波形は
    MOS FETソース接地型スイッチング回路の設計仕様
    MOS FETの選択
    ゲート・バイアス抵抗の決め方
    オープン・ドレイン回路にすると
 9.3 ソース・フォロワ型スイッチング回路の設計
    NチャンネルJFETを使ったソース・フォロワ・スイッチング回路
    PチャンネルJFETを使ったソース・フォロワ・スイッチング回路
    MOS FETを使ったソース・フォロワ・スイッチング回路
    ソース・フォロワ・スイッチング回路の注意点

第10章 パワーMOSを使ったモータ駆動回路
    [DCモータの正転/逆転駆動を試みる]
 10.1 モータ駆動回路のしくみ
    モータの正転/逆転させるしくみ…Hブリッジ回路
    MOS FETによるHブリッジ回路
    ソース・フォロワ型MOS FETを駆動するための工夫
    Hブリッジ・コントロール回路のしくみ
 10.2 Hブリッジ・モータ駆動回路の設計
    設計する回路の仕様
    15V/1Aを駆動するHブリッジ部のFETを選ぶ
    FETにはフライホイール・ダイオードが内蔵されている
    Hブリッジ・コントロールの論理回路
    エミッタ接地型スイッチ回路には抵抗内蔵型トランジスタ
    駆動回路用電源はDC-DCコンバータで昇圧
    DC-DCコンバータの元はシュミット・トリガ発振回路
 10.3 動作したモータ駆動回路の動作波形
    駆動回路用電源…DC-DCコンバータ部の波形
    駆動出力の波形
    スイッチング速度が速くなると
 10.4 モータ駆動回路の応用回路
    PチャンネルMOS FETとNチャンネルMOS FETを使った回路
    トランジスタを使ったHブリッジ回路

第11章 パワーMOSによるスイッチング電源の設計
    [昇圧型DC-DCコンバータ]
 11.1 スイッチング電源のしくみ
    シリーズパス型直流電源との違い
    昇圧型スイッチング電源のしくみ
    スイッチング電源の基本的な要素
 11.2 昇圧型スイッチング電源の設計
    製作するスイッチング電源の仕様
    スイッチ素子…MOS FETの選択
    インダクタンスを決める
    パルス整流回路の構成
    スイッチング用発振回路の構成
    電圧安定化のしくみ
    帰還回路の定数を求める
    コンデンサたちはいつものように
 11.3 作った電源回路の波形と性能
    電源の出力波形
    各部のスイッチング波形
    スイッチング用MOS FETの電流波形
    取り出せる最大出力電圧は
    回路の電力変換効率
    出力電圧:出力電流特性…ロード・レギュレーション
    出力電圧:入力電圧特性…ライン・レギュレーション
 11.4 昇圧型スイッチング電源の応用回路
    固定出力電圧のスイッチング電源
    スイッチング素子にトランジスタを使った電源回路

第12章 トランジスタ・スイッチング電源の設計
    [降圧型DC-DCコンバータの試み]
 12.1 降圧型電源のしくみ
    ローパス・フィルタに方形波を入れると…
    スイッチング回路+フィルタ=降圧型スイッチング電源
    SWがOFFしているときのために…フライホイール・ダイオード
 12.2 降圧型スイッチング電源の設計
    製作する電源回路の仕様
    スイッチ素子の選択…まずは電流値から
    トランジスタの耐圧は
    ベース電流を決めるR3,R4
    フライホイール・ダイオードの選択
    ローパス・フィルタ部の設計
    スイッチ駆動用の発振回路
    電圧安定化のための帰還回路の考え方
    出力電圧を設定するには
    周辺のコンデンサたち
 12.3 製作した電源の波形と特性
    出力波形を確認すると
    コントロール回路の波形
    Tr1のスイッチング波形
    スイッチング・トランジスタの電流波形
    回路の変換効率は
    出力電圧:出力電流特性(ロード・レギュレーション)
    出力電圧:入力電流特性(ライン・レギュレーション)
 12.4 降圧型スイッチング電源の応用回路
    回路の無調整化(その1)
    回路の無調整化(その2)
    スイッチング素子にMOS FETを使った回路

第13章 アナログ・スイッチ回路の設計
    [信号を切り替えるテクニックを実験する]
 13.1 アナログ・スイッチのしくみ
    アナログ・スイッチとは?
    ダイオードを使ったスイッチ
    トランジスタを使ったスイッチ
    FETを使ったスイッチ
    FETスイッチは機械スイッチとまったく同じ出力波形だ
    ゲートには入力信号がそのまま現われている
    VGsを変えてON/OFFさせている
 13.2 JFETを使ったアナログ・スイッチの設計
    スイッチング用FETの選択
    スイッチとしての2SK330の特性
    FETスイッチのゲート駆動回路
    スイッチングのためのレベル・シフト回路
    各部の電位と周辺の抵抗値
 13.3 作ったアナログ・スイッチ回路の特性
    スイッチとしての動作は?
    ON抵抗の大きさ
    OFFアイソレーションは
 13.4 アナログ・スイッチの応用回路
    OFFアイソレーションを改善した回路
    PチャンネルJFETを用いた回路
    OPアンプの仮想接地を利用した切り替え回路
    FETのON抵抗の影響を小さくしたOPアンプの切り替え回路
    フォトMOSを使ったアナログ・スイッチ
    トランジスタを使ったショート型スイッチ
    トランジスタによる差動型アナログ・スイッチ

第14章 発振回路の設計
    [CR発振/LC発振/水晶発振を実験する]
 14.1 発振回路のしくみ
    正帰還をかける
    共振回路と負性抵抗素子を使う
    負性抵抗素子とは
 14.2 CR発振回路の設計
    移相発振のしくみ
    発振する条件は…
    回路の利得が29倍!
    実際の発振波形を見ると
 14.3 LC発振回路の設計
    共振回路と負性抵抗で発振する
    変形コルピッツ回路とは
    実際の定数を決めるには
    発振波形を見ると…C1とC2が重要
    出力はバッファを通して
 14.4 水晶発振回路の設計
    水晶振動子を使うと
    発振回路を設計するには…コルピッツ型発振回路だ
    実際の発振波形を見ると…C1とC2が重要
    オーバトーン発振回路
 14.5 さまざまな発振回路
    FETを用いた位相発振回路
    LC発振回路の周波数調整
    MOS FETを用いたLC発振回路
    セラミック振動子を用いた発振回路
    コレクタ出力の水晶発振回路

第15章 FMワイヤレス・マイクをつくる
    [LC発振と高周波増幅回路の実用的試み]
 15.1 ワイヤレス・マイクのしくみ
    音声信号を周波数変調する…FM
    FM変調のしくみ
 15.2 ワイヤレス・マイクの設計
    作るワイヤレス・マイクの仕様
    マイクとAFアンプは
    FM変調回路の構成
    発振回路の構成
    RFアンプの構成
    アンテナは
    回路の調整方法
    作った回路の性能
    周波数偏移を変更したいとき
 15.3 FMワイヤレス・マイクの応用回路集
    RFアンプに同調回路を付加する
    発振回路にセラミック振動子を用いる(その1)
    発振回路にセラミック振動子を用いる(その2)