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「はじめての回路の熱設計テクニック」(No.159,2022/6/29発売)
〜 チップ・高密度・パワエレ時代に! 実測からシミュレーションまで 〜

 今どき小型・高密度回路やパワエレ時代に,本書では実測からシミュレーションまで回路の熱設計テクニックを解説します.
 電子機器を小型化すれば電力密度が増大して温度が上がります.温度が高いほど発熱量が増え,電子機器の機能停止やパフォーマンスの低下を招きます.また,部品の劣化が進んで寿命が短くなったり,熱応力によって疲労破壊に至ったりすることもあります.部品の性能や寿命を確保したり,信頼性を高めたりするには熱設計が重要になってきます.
 熱解析では,熱を電流,温度差を電圧,熱抵抗を抵抗に置き換えると,発熱のようすは等価的にオームの法則として解くことができます.回路シミュレータ LTspice を使った複雑な放熱経路の解析や,プリント基板用熱シミュレータ PICLS Lite を使ったプリント基板の熱分布の解析テクニックなども解説します.

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目次

 
第1部 電子回路の熱設計の基礎知識
  •      熱設計の必要性とポイントをおさえる
    第1章 熱の基本的なふるまい
  •      イメージだけではうまくいかない
    第2章 陥りやすい7つのまちがった熱対策
  •      部品の温度規定からデータシートの見方,計算ツール活用まで
    第3章 部品の熱抵抗とジャンクション温度の求め方
  •      高密度実装でもすべての部品を許容温度に収める
    第4章 プリント基板の熱設計の基本ステップ
  •      放熱のためのパターン設計テクニック
    第5章 部品の温度を下げるプリント基板7つの対策
  •      実際に起こった事故や不具合に学ぶ
    第6章 やってはいけない基板の熱対策

第2部 放熱器 / ファンによる冷却テクニック
  •      コスト優先なら自然冷却,サイズ優先なら強制冷却
    第7章 放熱器の基礎知識
  •      空冷用主要3タイプをおさえる
    第8章 放熱器の種類と使い分け
  •      低熱抵抗化から実装のポイント,騒音まで
    第9章 ファンによる強制冷却テクニック
  •      高温になりやすいCPU放熱設計ステップ・バイ・ステップ
    第10章 なんと 50℃ でも 1.2GHz 運転! ラズパイ冷却器に挑戦

第3部 今どき小型・高密度回路の熱設計テクニック
  •       回路シミュレータLTspice × 基礎知識でOK!
    第11章 今どき小型・高密度回路の熱解析入門
  •       無償の熱シミュレータPICLS Liteで分布をサッとつかむ
    第12章 全部品を快適温度で動かす放熱器レス・プリント基板
  •       高密度時代は放熱設計が許容損失確保のキモ
    第13章 表面実装パワー IC の放熱テクニック
  •       数百μm角のLED温度をなんと±0.2℃精度で!
    第14章 極小な半導体チップのほんとの温度を調べる方法

第4部 シミュレータによる熱解析テクニック
  •       モータ駆動に使われているMOSFETの放熱対策
    第15章 電子回路シミュレータ LTspice の熱解析モデル
  •       チップ部品を基板で冷やすテクニック
    第16章 熱シミュレータ PICLS によるチップ部品の放熱設計
  •       オープンソースOpenModelicaマルチ物理ドメイン・シミュレーション
    第17章 電気・熱・機械の連携解析入門
  •       基本をおさえて熱の流れがよいプリント基板を作る
    第18章 ラダー化した熱抵抗モデルによるシミュレーション解析

第5部 パワエレ / 電源まわりの放熱入門
  •       できるだけヒートシンクを付けずに済ませるには
    第19章 必ずお世話になる3端子レギュレータの放熱
  •       オンボード電源を安定して動作させるために
    第20章 ディジタル回路電源のありがち発熱トラブル&対策
  •       故障しにくい高信頼性回路には熱設計が不可欠
    第21章 3端子レギュレータからのヒートシンク放熱入門
  •       ピッタリの冷却器選びに欠かせない
    第22章 パワー・モジュール内部のチップ温度を調べる
  •       猛暑と極寒の繰り返しは要注意! メカニズムと対策技術
    第23章 パワー・モジュールの寿命を決める「熱疲労」
  •       PICマイコンで静かでエコで長寿命を実現する
    第24章 回転数は自動調整! 高効率・空冷ファン電源の設計


▲本書は,「トランジスタ技術」誌に掲載された記事を元に再編集したものです.