486DX2の後継として,1993年にインテルが発表したスーパースケーラ方式を採用した32ビット・マイクロプロセッサ.64ビットに拡張された外部データ・バス,パイプラインを利用した2命令同時実行,分岐予測などの機能により高速処理を実現した.トランジスタ数は約320万.
当初発表された60M/66MHz版は,0.8μm BiCMOSプロセス・ルールで製造されており,製造コストが高かった.しかし,その後発表されたP54C(90M〜120MHz)ではプロセス・ルールが0.6μmとなり,コストや消費電力の低減が達成された.その後,0.35μmプロセス・ルールのP54CSが登場し,クロック周波数は200MHzとなった.
後継製品であるPentium Processor with MMX Technologyと区別するために,従来のPentiumをPentium Classicと呼ぶこともある.
外部バス幅は64ビビトだが,CPUアーキテクチャは386と同じ32ビット・アーキテクチャである.2倍になったバス幅を生かすため,スーパースケーラを使うことで高速化している.内蔵キャッシュ・メモリは8Kバイト×2のハーバード・アーキテクチャを採用している.