モトローラ社が開発した,日本のAMステレオ放送の標準方式.ステレオ信号(L信号とR信号)から和信号(L+R)を作り,これで従来通り搬送波をAM変調(振幅変調)する.搬送波は差信号(L−R)の直交変調により位相変調してステレオ電波にしている.
ステレオ受信機は,AM変調している和信号を振幅復調器で,差信号は直交変調の復調器でそれぞれ復調する.なお,25Hzのパイロット信号の有無で,ステレオ/モノラルを自動的に切り替えることができる.モトローラ社から専用IC,MC13020/2/4の3種が発売されている.
一方,従来のモノラル受信機は,振幅変調成分,すなわち和信号(モノラル信号と等価)しか復調できないので,両立性が保たれる.
モトローラ方式のほか,ハリス方式,マグナボックス方式,カーン方式などがあり,日本ではモトローラ方式に統一された.