100BASE系はFast Ethernetとも呼ばれ,通信速度が100Mbpsの高速ネットワークである.通信媒体としては,TX,FX,T4,T2の4形態が規格化されている.
TXはカテゴリ5のツイスト・ペア線を2対,FXは光ファイバを1対,T4はカテゴリ3のツイスト・ペア線を4対,T2はカテゴリ3のツイスト・ペア線を2対を使用する.T4およびT2は既存の古い電話線の利用を想定して規格化されているが,放射ノイズを低減するために複雑な送信処理回路が必要になることやカテゴリ5ケーブルの低価格化が作用して,製品化はほとんど進んでいないのが現状である.
また,物理層レベルの技術には先行して存在していたFDDIの技術が流用されている.また,AUIに相当するものとして,MIIが採用され,4ビット単位でデータの送受信が行われる.
100BASEでは高速になったぶん衝突検出のための時間制限が厳しく,リピータによるネットワーク拡張は2段までに限定されている.100BASEの最大セグメント長は100BASE-TXで100m,100BASE-FXで412m(リピータを経由しない場合の最大値.全二重動作の場合はこの制限は受けない)である.また,リピータもその遅延時間によってクラスおよびクラスIIの二つにクラス分けされており,クラスIIのリピータでは遅延が大きいためリピータの多段接続は許されていない.