■紹介
USB通信から電力増幅まで!全部入りワンチップIC搭載
分解能24ビット,サンプリング周波数96kHz以上の高精細なハイレゾ音源が増えています.これらの音源を再生するオーディオ・システムを作るためには,
・パソコンやタブレット,スマホなどのUSBホスト機能をもったデバイス
・USBインターフェースをオーディオ・インターフェース I2Sに変換する専用IC
・ハイレゾ対応のD-Aコンバータ
・電子ボリュームIC
・パワー・アンプ
・制御マイコン
などたくさんの準備が必要です.本キット(写真A)のメイン・デバイス Dnote7U(写真B)は,これらの機能をワンチップに内蔵し,ハイレゾPCオーディオを簡単かつシンプルに作ることを可能にしてくれるオールインワンICです.
DNSP1-TGKITの外観(写真A)
Dnote7U搭載基板(写真B)
真のディジタル・アンプ!PCMディジタル信号でボイス・コイルを駆動
Dnote7Uは,USBコントローラ,DSP,8個の出力ドライバなどを内蔵しており,24ビットPCMデータを特殊なディジタル変調で3〜8ビット(本キットでは4ビット)に変換し,8個のボイス・コイル(本キットでは各チャネル4個ずつ)を直接駆動します.
5V電源で最大6W!USB電源から大出力
Dnote7Uは通常のスピーカとつなぐことはできません.本キットは,片チャネルあたり4個のボイス・コイルをもったDnote専用ユニットを二つ搭載した実験用のスピーカ・ボックスを用意しました.
一つののスピーカには,4個の4Ωボイスコイルが内蔵されており,電源から見た等価インピーダンスは1Ωになります.その結果,昇圧回路がなくても最大6Wを出力できます.
応用
同梱のトラ技USB-I2C ボード(USB-001TGKIT,写真C)を利用すれば,Dnote7Uの内蔵DSPにアクセスでき,周波数特性などを調整できます.(写真D-1,写真D-2)また,Wi-Fiドングルを搭載したRaspberry Pi(手のひらサイズLinuxガジェット)と本キットをUSBで接続してバッテリを搭載すれば,完全ケーブル・レスのハイレゾ・ネットワーク・オーディオ・システムを作ることができます(写真E-1,写真E-2)
Dnote7U内部設定書き込み基板(Windows対応ソフトウェア付き)(写真C)
自分好みにDnote7Uの内部仕様を設定(写真D-1)
周波数特性を任意に設定できる,イコライザ画面(写真D-2)
Dnote7u搭載基板,Raspberry Pi B+,バッテリをスピーカにすっぽり格納できる(写真E-1)
Dnote7U搭載基板,Raspberry Pi B+,バッテリを接続したところ(写真E-2)
■内容物
基板
・Dnote7U(Trigence Semiconductor社)搭載基板
・Dnote再生専用マルチ・コイル・スピーカ・ユニット
・スピーカ・エンクロージャ
・トラ技USB-I2C ボード USB-001TGKIT:Dnote7U内部設定書き込み基板.Windows対応ソフトウェア付き
・マルチ・コイル駆動用のケーブル
CD-ROM
▲解説記事
・Dnote7U関連記事「フル・ディジタル・スピーカ駆動IC Dnote7U」
・書き下ろし応用記事「Wi-Fiパワード・スピーカの製作」
小型パソコン・ボード「Raspberry Pi B+(別売り)」と本キットを組み合わせてハイレゾ音源再生可能なWi-Fi接続のポータブル・ネットワーク・オーディオの製作事例を紹介しています.バッテリを搭載すれば13時間連続動作できるので(写真E-1,写真E-2).完全ケーブルレスの壁かけのWi-Fiネットワーク・オーディオとして利用できます.
▲マニュアル
・Dnote7U搭載基板の使い方
・筐体組み立て方
・トラ技USB-I2C ボード USB-001TGKITの使い方
マニュアル
▲ソフトウェア
・Dnote7Uの内蔵DSPの設定変更用Windowsユーティリティ・ソフトウェア Dnote1213(周波数特性などの変更が可能)