解析OPアンプ&トランジスタ活用 ディジタル/CD-R版
増幅回路設計の真髄を検証する
黒田 徹 著
240ページ
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価格1,885円(税込)
2011年2月22日発行
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収録内容
本商品はCQ出版社から出版された新コアBOOKSシリーズ 黒田 徹著「解析OPアンプ&トランジスタ活用」の2005年2月1日 第2版発行をそのままスキャンしてPDFファイルとしてCD-Rに収録したものです.
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OPアンプの内部回路を解析・理解すると,貴方のアナログ回路設計力を飛躍的に向上させることができます.
本書では,これまであまり詳しく語られることのなかった市販OPアンプICの内部回路に焦点をあてて,如何にして増幅度を稼いでいるのか,なぜ高精度になっているのか,どのようにして低雑音を実現しているのか,どのようにして高速・広帯域化を実現しているのかを徹底検証しています.
また学習結果として,個別トランジスタによるOPアンプICを凌駕するアンプの設計技術を公開しています.回路シミュレータの回路設計への効果的な利用方法も紹介しています.
読み進んでいくだけで,アナログ回路設計の楽しさを感じることのできる一冊です.
目次
第1章 OPアンプを手作りトランジスタ回路で学ぶ
1.1 OPアンプのあらまし
OPアンプのもつ基本端子は五つ
二つの入力端子と一つの出力端子
OPアンプの増幅度…差動電圧利得AVD
OPアンプの電源電圧
設計するときに便利な理想OPアンプの考え
1.2 5石OPアンプの実験
OPアンプの中身…トランジスタによる増幅回路
5石OPアンプを製作する
5石OPアンプの回路動作
非反転増幅器としての実験
ボルテージ・フォロワ回路の実験
反転増幅器の実験
1.3 OPアンプの交流(AC)特性
最大出力電圧振幅対周波数特性
スルーレート(Slew Rate)
その他の交流特性
1.4 OPアンプの直流(DC)特性
入力バイアス電流IBとオフセット電流IIO
入力オフセット電圧VIO
最大出力電圧対負荷抵抗特性
同相入力電圧範囲
1.5 OPアンプを負帰還で使うときの安定性
増幅器と発振回路は表裏一体
利得は複素数で表す
周波数特性を表すボーデ線図
オープン・ループ・ゲインのボーデ線図
ボーデの安定判別法
〈コラム〉アナログIC設計に関する参考文献紹介
第2章 汎用OPアンプIC 4558の解析
2.1 4558の基本回路解析
オリジナル型名はRC4558
カレント・ミラー(Current Mirror)回路の基本
エミッタ抵抗を挿入したカレント・ミラー回路
RC4558内部回路のカレント・ミラー回路
カレント・ミラーを負荷にする差動増幅回路
〈コラム〉エミッタ抵抗を挿入したカレント・ミラーの解析
ダーリントン接続回路
コンプリメンタリ・エミッタ・フォロワ
出力段の動作階級
出力段バイアス電圧の温度補償
2.2 4558の等価回路と電気的特性
トランジスタの小信号等価回路
hパラメータの一部を省略した小信号等価回路
カレント・ミラー負荷・差動増幅回路の小信号等価回路
エミッタ・フォロワの小信号等価回路
RC4558のオープン・ループ・ゲイン対周波数特性
スルーレートと位相補償容量の関係
スルーレートと利得帯域幅の関係
4558の雑音・ひずみ率特性
4558のDC特性
第3章 回路シミュレータでつくる本格OPアンプ
3.1 アナログ回路シミュレーションにはSPICE
なぜ回路シミュレータか
SPICEとは
SPICEの回路ファイル
モデル・パラメータも必須
SPICEによるシミュレーションの種類
5石OPアンプのシミュレーション
3.2 5石OPアンプを改良する
最大出力電流を増やすための改良
オープン・ループ・ゲインを増やすための改良
入力オフセット電圧を最小化する
入力オフセット電圧が増加した理由
入力オフセット電圧を減らす簡単な方法
カレント・ミラー回路とダーリントン回路で入力オフセット電圧を減らす
初段トランジスタの選別が重要
飽和防止回路
10石非反転増幅器の周波数特性
電源電圧除去比(Supply Voltage Rejection Ratio)の解析
10石OPアンプのスルーレート
Appendix 1 SPICEモデルを理解するために――トランジスタの等価回路
エバース・モル・モデル
●活性領域 ●逆接続領域(逆方向活性状態ともいう)●飽和領域(飽和状態ともいう)
周波数特性の計算に役立つハイブリッドπ型モデル
●ベース-実効ベース間コンダクタンスgx ●相互コンダクタンスgm
●実効ベース-エミッタ間コンダクタンスgπ ●アーリ電圧 ●接合容量
●遷移時間と拡散容量 ●fTとτFの関係
〈コラム〉順方向遷移時間τFを測定する
Appendix 2 周波数特性改善のために ベース接地回路のおさらい
●ベース接地回路の特徴 ●ベース接地回路の出力静特性
●ベース接地回路の小信号等価回路 ●ベース接地回路の入力抵抗
●ベース接地回路の出力抵抗rob ●ベース接地増幅回路の電圧利得
●ベース接地増幅回路の高域・周波数特性 ●電流源でドライブされたベース接地回路
第4章 トランジスタによるICを越えるOPアンプの設計
4.1 なぜ個別半導体アンプか
OPアンプICのもつ弱点
個別半導体…トランジスタによるOPアンプ回路
4.2 トランジスタによるOPアンプ回路のあらまし
設計するOPアンプ回路の骨格
フォールデッド・カスコード回路を採用する
4.3 初段FET差動回路を設計するために
接合型FETの基本特性
カスコード回路の電圧利得と周波数特性
初段FETの選択
2段目トランジスタTr1・Tr2と出力段Tr5・Tr6
4.4 基本回路に肉付けする
初段をカスコード・ブートストラップにする
2段目出力電圧のひずみ率を計算する
Cobキャンセル回路でひずみ率を激減させる
2段目の実際の回路設計
出力段トランジスタのCobをキャンセルする
AB級コンプリメンタリCobキャンセル回路
A級コンプリメンタリCobキャンセル回路
4.5 シミュレーション&製作・実験
位相補償容量の最適値を求める
スルーレートを確認する
製作に使用する部品
電気的特性の測定
Appendix 3 Cobの電圧依存性によるひずみを解析的に計算する
第5章 汎用OPアンプICの解析
汎用OPアンプとは
5.1 Bi-FET型OPアンプTL07xシリーズの解析
Bi-FETプロセス
2種類のカレント・ミラー
TL07xとTL08xの雑音特性
5.2 Bi-FET型OPアンプLF353の解析
ワイドラー型カレント・ミラーとウィルソン型カレント・ミラー
LF353の初段・共通ソース電流
スルーレートの算出
出力電流の制限回路
出力インピーダンス対周波数特性
Q5の飽和防止回路
ひずみ率特性と周波数特性
5.3 バイポーラOPアンプ NE5532の解析
入力端子間ダイオードの役割
カレント・ミラーと飽和防止回路
ラテラル(Lateral)PNPトランジスタ
フィード・フォワード(位相)補償
非対称AB級動作の出力段
第6章 高精度および低雑音OPアンプICの解析
6.1 高精度OPアンプの構成とOP07
高精度OPアンプとは
入力バイアス電流打ち消し回路
入力オフセット電圧を小さくする工夫
OP07のAC特性と雑音特性
高精度OPアンプをDCサーボ回路に使う
6.2 低雑音OPアンプと雑音解析の基礎
雑音波の大きさは二乗平均値で表す
〈コラム〉アンサンブル平均とは
抵抗で発生する熱雑音
理想バイポーラ・トランジスタのショット雑音
理想バイポーラ・トランジスタの雑音等価回路
差動増幅回路の雑音等価回路
OPアンプの雑音等価回路
OPアンプの入力換算雑音電圧密度
OPアンプの入力雑音電流密度
信号源抵抗の影響
OPアンプの全入力雑音電圧密度
帰還率の逆数…ノイズ・ゲイン
6.3 低雑音OPアンプAD797の構成
AD797のオープン・ループ・ゲイン
AD797の位相補償容量
出力段のひずみ打ち消し回路
第7章 高速・広帯域OPアンプICの解析
7.1 普通の高速・広帯域OPアンプ
高速・広帯域OPアンプには二つのタイプがある
高速PNPトランジスタを作るVIPプロセスのLM6361シリーズ
LM6361/6364は局部電流帰還で安定化
〈コラム〉局部電流帰還について
オープン・ループ・ゲインを確認すると
大きな負荷容量でも発振しない仕組み
LM6361シリーズのその他の特性
LM6361シリーズ上位…CBプロセスによるAD847シリーズ
ダーリントン出力段でも容量負荷に強い仕組み
JFETソース・フォロワ入力のOPA655…DGとDPが小さい
7.2 カットオフ周波数が変化しない電流帰還型OPアンプ
普通のOPアンプ…電圧帰還型OPアンプの欠点
電流帰還型OPアンプの動作原理
トランス・インピーダンス(Trans-impedance)の概念を使うと
反転増幅器で使うときのクローズド・ループ・ゲイン
電流帰還型OPアンプの出力インピーダンスはどうなるか
スルーレートを制約するもの
許容差動入力電圧は低いので要注意
広帯域AC-DCコンバータへの応用
7.3 JFET入力・高速広帯域OPアンプ
CBプロセスによるAD845
DifetプロセスによるOPA627/637
高速性を示す重要パラメータ…セトリング時間
広帯域・平衡増幅器へのOPA627の応用
平衡増幅器における同相信号除去比とは
CMRRを改善する同相負帰還技術
第8章 CMOS型OPアンプICの解析
8.1 CMOS OPアンプの登場と高性能化
低消費電力化とレール・ツー・レール動作
CMOSレール・ツー・レールOPアンプAD8532
低ひずみのOPアンプOPA340/350/2340/2350
R-R入力特有のミッド・スイングひずみに注意
ミッド・スイングひずみを避ける方法
CMOSの低雑音OPアンプLMV751
8.2 さらに発展するCMOS OPアンプたち
入力オフセット電圧を自己補正するCMOS OPアンプTLC4501/4502
オフセット電圧打ち消しのメカニズム
TLC4501を用いた高精度電圧源
2V以下で動作するCMOS OPアンプNJU7096
低電源電圧で安定に発振する正弦波発振器への応用
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