実物写真と動作回路で素子の使い方を理解する
復刻版 センサ活用141の実践ノウハウ【オンデマンド版】
松井 邦彦 著
A5判 216ページ
定価2,970円(税込)
JAN9784789852494
2001年5月20日発行
好評発売中!
あいも変わらずディジタル技術が主流の現代ですが,その中にあってセンサは第一級のアナログ部品として活躍しています.この本を読めばセンサを扱う楽しさを味わうことができます.
電子機器の内部では,センサは素子単体で働いているわけではありません.本書には多くのセンサに接し,多くの回路を設計してきた著者の経験から得たセンサを使う上でのノウハウをふんだんに紹介しています.たとえば40万アンペアを超える雷電流センサ回路,たとえば液体窒素まで冷却して高S/Nを必要とする分析用放射線センサ回路,たとえばレーザ・ダイオードとPINフォト・ダイオードを使った長距離用トランス・インピーダンス回路などです.
今回登場するセンサは,光(フォト)センサ,赤外線センサ,サーミスタ,白金測温抵抗体,熱電対,湿度センサ,ガス・センサ,磁気センサ,超音波センサ,振動・加速度センサ,電流センサ,圧力センサ,ひずみセンサ,風速センサ,位置センサです. これから電子機器の設計に携わる方々にかならず役立つ一冊です.
目次
第1章 光(フォト)センサ
1 もっともポピュラな汎用型フォト・ダイオード
2 応答速度が速いPIN型フォト・ダイオード
3 紫外線まで検知できるフォト・ダイオード
4 感度が非常に高いフォト・トランジスタ
5 放射線計測には欠かせない放射線センサ
6 光のエネルギーに比例して出力するフォト・ダイオードの原理
7 端子間容量と暗電流に影響するフォト・ダイオードの構造
8 フォト・ダイオードの分光感度特性について
9 比視感度は人間の分光感度特性を表している
10 光センサを発光素子と組み合わせるときの注意
11 センサの信号が小さいときは低雑音ケーブルを使用する
12 抵抗を使った電流-電圧変換回路
13 OPアンプを使った電流-電圧変換回路
14 電流-電圧変換回路の保護回路
15 低雑音特性が要求される電荷-電圧変換回路
16 光センサ用バイアス電圧発生回路の作り方
17 バイアス電圧の安定化回路
18 センサ信号が小さいときはガードあるいはテフロン端子が有効
コラム1 光センサ用グッズ
コラム2 センサの冷却が簡単にできるペルチェ・モジュール
コラム3 チャージ・アンプとは
第2章 赤外線センサ
19 高精度の測定が可能な赤外線用フォト・ダイオード
20 安価で取り扱いやすい焦電型赤外線センサ
21 焦電型赤外線センサを使った人体検知モジュール
22 熱電対を応用したサーモ・パイル
23 焦電型赤外線センサの電圧感度について
24 センサの用途を決める窓材
25 焦電型赤外線センサ出力はFETでバッファする
26 検出距離を大幅に拡大できるレンズとミラーは大切な部品
27 誤動作を少なくできるデュアル素子型センサ
28 抵抗を使ったI-V変換回路ではS/Nを良くすると周波数特性が悪くなる
29 S/Nと高速化を両立させるならトランス・インピーダンス回路を使え
30 トランス・インピーダンス回路の専用ICを使うのも一計
31 トランス・インピーダンス回路のノイズ計算の方法
32 CR並列回路のノイズ計算のしかた
第3章 サーミスタ
33 量産によりコストダウンが可能な汎用サーミスタ
34 熱応答性が非常に速いサーミスタ
35 高温でも使用できるサーミスタ
36 ばらつきが少ない高精度サーミスタ
37 抵抗が温度に対してリニアに変化するリニア・サーミスタ
38 自動実装では欠かせないチップ・サーミスタ
39 自己発熱を利用したホット・サーミスタ
40 サーミスタの抵抗値を表す式はむずかしい(R0とBに注目しよう)
41 公称抵抗値R0とは室温での抵抗値のこと
42 B定数はサーミスタの感度を表す
43 サーミスタの温度係数は-B/T2で計算できる
44 B定数の値は温度で変わる
45 見逃しやすい自己加熱と熱放散定数
46 応答時間(熱時定数)を考慮する…最大許容電力を超えて使用してはいけない
47 B定数のばらつきが小さいと回路設計が楽になる
48 意外に簡単なサーミスタのリニアライズ回路
49 直線化誤差は使用温度範囲が狭いほど小さい
50 サーミスタを2本以上使った究極のリニアライズ回路
51 サーミスタを使用した温度警報回路
第4章 白金測温抵抗体
52 取り扱いやすいマイカ型白金測温抵抗体
53 高温まで使用できるセラミック封入型白金測温抵抗体
54 耐水性に優れたガラス封入型白金測温抵抗体
55 量産に適した薄膜型白金測温抵抗体
56 工業用として一般的な金属保護管付き白金測温抵抗体
57 自己発熱を利用したホット白金測温抵抗体
58 白金測温抵抗体の温度係数は3850ppm/℃
59 定電流動作と定電圧動作の非直線誤差
60 配線抵抗の影響を軽減する3線式配線
61 白金測温抵抗体用アンプの作り方(定電流ドライブ)
62 白金測温抵抗体用アンプの作り方(定電圧ドライブ)
第5章 熱電対
63 もっともポピュラなシース熱電対
64 測定温度は低いが使いやすい被覆熱電対
65 熱応答性が非常に速い極細熱電対
66 表面温度測定に適した熱電対
67 熱電対には極性がある
68 熱電対には測温接点と基準接点がある(冷接点補償が必要)
69 熱電対のリニアライズの方法
70 熱電対が長い場合は補償導線を使うとコスト的に有利
71 熱電対用アンプ回路の作り方
72 アンプには熱電対用ICを使うのも一計
コラム1 サーモ・パイル(非接触型温度センサ)
コラム2 熱電対用グッズについて
コラム3 初心者でも簡単に使える温度センサIC
第6章 湿度センサ
73 回路が簡単な抵抗変化型相対湿度センサ
74 クリーニングが必要なセラミック型相対湿度センサ
75 リニアな特性が得られる静電容量変化型相対湿度センサ
76 ホット・サーミスタを応用した絶対湿度センサ
第7章 ガス・センサ
77 半導体式ガス・センサの原理
78 もっともポピュラな汎用ガス・センサ
79 消費電力が小さな省電力型厚膜ガス・センサ
80 取り扱いが簡単なガルバニ電池式O2(酸素)センサ
81 自動車用の空燃比センサ
第8章 磁気センサ
82 ホール素子の最大の特徴はリニアな出力電圧が得られること
83 だれでも簡単に使えるホールIC
84 感度が非常に高い半導体磁気抵抗素子
85 ディジタル的な応用に向いている強磁性体磁気抵抗素子
86 地磁気が検出できるフラックス・ゲート(磁気変調)型磁気センサ
87 目で着磁の状態が観測できる着磁フィルム
88 GaAsホール素子は定電流動作,InSbホール素子は定電圧動作がお勧め
89 ホール素子の温度補償回路
90 ホール素子の同相電圧キャンセル回路
91 OPアンプのオフセット電圧除去回路
92 複数のホール素子を簡単につなげるホール電圧の加算回路
93 GaAsホール素子の単相電力計への応用
94 GaAsホール素子の3相電力計への応用
第9章 超音波センサ
95 もっともポピュラな汎用型超音波センサ
96 送受信を1個で行える広帯域型超音波センサ
97 屋外で使える防滴型超音波センサ
98 水中のみで使用可能な水中用超音波センサ
99 使用温度範囲が広い超音波センサ
100 高分子膜タイプの超音波センサもある
101 超音波センサの共振周波数は送信用と受信用では違う
コラム 超音波センサの応用製品─ガラス破壊センサ
第10章 振動・加速度センサ
102 衝撃を検出できるショック・センサ
103 手振れ検出には欠かせない角速度センサ
104 自動車のエア・バッグ用でポピュラになったモノリシック・タイプの加速度センサ
105 高精度測定が可能な計測用加速度センサ
コラム 転倒検知スイッチと感震スイッチ
第11章 電流センサ
106 絶縁された出力が得られる汎用型AC電流センサ
107 大電流でも使える空芯型AC電流センサ
108 DC電流の測定ができるホール型電流センサ(DC電流センサ)
109 サーボ式DC電流センサは高精度測定に適している
110 ワンタッチで活線電流測定ができる便利なクランプ式DC電流センサ
111 電流センサの感度を上げるには1次巻き数を多くする
112 AC電流センサの低域カットオフ周波数はインダクタンスで決まる
113 AC電流センサの時定数はL/RLで計算できる
114 DC電流の検出にはホール素子型電流センサを使用する(クランプ型だとさらに便利)
115 サーボ式DC電流センサの周波数特性の改善
116 空芯型AC電流センサには積分回路が必要
117 センサ用レベル変換には差動アンプがおすすめ
118 AC電流センサ用絶対値アンプ回路の作り方
コラム AC電流センサを使った定電流回路
第12章 圧力センサ
119 比較的安価な汎用型ゲージ圧センサ
120 大気圧も計れる絶対圧センサ
121 圧力測定範囲が広いアンプ付き高圧センサ
122 エンジン内の圧力が測定できるスパーク・プラグ付き圧力センサ
コラム 圧力センサの応用製品---水位センサ
第13章 ひずみセンサ
123 いろいろな形状が用意されている汎用型ストレイン・ゲージ
124 トラックなどの車両重量が測定できる荷重センサ(ロード・セル)
125 大面積が容易に得られる加圧導電性ゴムを使用した感圧スイッチ
126 ストレイン・ゲージの構造
127 ストレイン・ゲージはブリッジ構成が一般的
コラム ひずみゲージ用グッズ
第14章 風速センサ
128 白金測温抵抗体を利用した風速センサ
129 ゲルマニウム・サーミスタを使用した風速センサ
130 いろいろな風速センサ・プローブ
131 表面の風速が測定できるセンサ・プローブ
132 特殊な風速センサ2点
第15章 位置センサ
133 アナログ式の代表---ポテンショメータ
134 ディジタル式の代表---ロータリ・エンコーダ(インクリメンタル型)
135 信頼性に優れたロータリ・エンコーダ(アブソリュート型)
136 アブソリュート型ロータリ・エンコーダのアナログ版リゾルバ
137 直線位置が検出できるリニア・ポテンショメータ
138 高分解能が得られる磁気式リニア・センサ
139 応用範囲が広い近接センサ
140 安価な光電スイッチ
141 小型化が進んでいるマイクロ・スイッチ(リミット・スイッチ)