RS232Cから高速化/距離を延ばす技術まで
復刻版 データ伝送技術実用ノウハウのすべて【オンデマンド版】
宮崎 誠一 著
A5判 344ページ
定価3,300円(税込)
JAN9784789852425
1991年9月10日発行
好評発売中!
パソコンの広がりと共に,情報ネットワーク化が時代のキーワードになって,ソフトウェア資産も見直しが行われてきています.
本書は,そのような時代にこそ重要なデータ伝送の高速化,長距離化対応技術,高信頼性化技術を実戦的にかつ,やさしく詳解したものです.マイコン応用機器の設計に携わる方のために.
目次
第1部 データ伝送の基礎技術-データを送るためには
第1章 プロローグ-データやり取りの方法
1.1 データ伝送とデータ通信-その定義と違い
(1) データ伝送とは-ディジタル・データを送る
(2) データ通信とは-より広いシステムをいう
1.2 信号とデータ-文字の表現方法
(1) ディジタル信号を伝送するには
(2) 文字の表現-コードを使用する
(3) 符号とコードの意味を区別して使う
1.3 データ伝送の各種の方式
(1) 直列伝送と並列伝送-二つの基本的方式
(2) 伝送の方向性-全2重と半2重
(3) ネットワーク伝送-これからの伝送の主流
1.4 データ受け渡しの方法-同期とは何か
(1) 非同期確認方式-もっとも基本的なデータやり取りの方法
(2) 同期非確認方式-今一つの基本的なデータやり取りの方法
(3) 両方式の比較と選定
(4) 直列伝送における同期式のデータのやり取り
(5) 直列伝送における非同期式のデータのやり取り
(6) 同期式におけるキャラクタ同期のやり方
第2章 インターフェース-規格と汎用ドライバ/レシーバ
2.1 汎用ICによるインターフェース-簡単だが限界がある
(1) インターフェースとは
(2) TTLによるドライバ/レシーバ-用途が限定される
(3) CMOSによるドライバ/レシーバ-波形はきれいになるが遅い
(4) 高電流駆動能力のTTLを使用する-高速かつ中距離が可能
(5) TTLの高電圧使用-さらにノイズにも強いが大飯食い
2.2 RS232C-もっとも多く使われている直列インターフェース
(1) インターフェースと規格の活用
(2) インターフェースに必要な仕様
(3) RS232Cの概要-本来はモデム・インターフェース
(4) RS232Cの電気的仕様-伝送距離と伝送速度
(5) RS232Cの機械的仕様-コネクタの仕様
(6) RS232Cの信号線仕様-制御信号線が多い
(7) 汎用インターフェースへの適用-規格外の仕様
(8) コネクタの結線-フル実装されていないものが多い
2.3 RS422/485とRS423-電気的仕様だけの規格
(1) RS422インターフェース-高速/長距離用の規格
(2) RS485インターフェース-バスに適用する
(3) RS423インターフェース-RS232Cとの中間的な仕様
第3章 直列伝送の概要-並列伝送よりも広く利用されている
3.1 直列伝送とその規格-直列伝送を大きく分けると
(1) 汎用直列伝送用LSIの利用-直列伝送が多く用いられる理由
(2) 汎用直列伝送の規格-大きく三つに分けられる
3.2 汎用直列伝送用LSIの概要
(1) 伝送プロトコルにより種類分けされる
(2) マイコンの系列-マイコン自体を分類する
(3) 直列伝送用LSIの種類とCPUの系列
第4章 直列伝送用LSI(キャラクタ・ベース)
4.1 機能の概要-具体的LSIを例題にして
(1) マルチプロトコルLSI 7201Aの概要
(2) 7201Aの共通伝送機能
(3) 非同期式に使用するときの伝送機能
(4) 同期式に使用するときの伝送機能
(5) ビット・ベースの伝送機能(項目のみ)
(6) CPUとのインターフェース
4.2 LSIの具体的な使い方
(1) 7201Aの構成
(2) 7201Aの接続-PC98バスの場合
(3) 7201Aの非同期式における使い方
(4) 7201Aの同期式における使い方
第5章 直列伝送用LSI(ビット・ベース)
5.1 ビット・ベースのプロトコル-ハイレベル手順
(1) フレーム・フォーマット-すべてのフレームは一定の型式である
(2) フレーム内各部の機能
(3) ゼロ・インサート-データの透過性を保証する
(4) フレームの判定とその異常処理
5.2 ポーリングとループ・モード
(1) 標準のポーリング方式の伝送
(2) SDLCのゴーアヘッド・ポーリング-効率の高い方式
(3) ループ・モード用LSI
第2部 データ伝送固有の技術-長距離/高速化の技術
第6章 伝送用電気ケーブルとその特性
6.1 伝送誤りの原因-波形ひずみが原因である
(1) 伝送誤りの本質を探る
(2) 波形ひずみの原因を探る
6.2 伝送用ケーブルの種類-特に伝送に適したケーブル
(1) 伝送用ケーブルに要求される事項
(2) 通信ケーブル-汎用性の高い優れたケーブル
(3) 同軸ケーブル-高周波用のケーブル
(4) 弱電計装用ケーブル
6.3 ケーブルの減衰量と周波数特性への対策
(1) 減衰量とその周波数特性-周波数特性をもっている
(2) 周波数特性による波形ひずみ
(3) その対策-変調とパルス伝送の技術
6.4 ケーブルにおける信号の反射とその対策
(1) ケーブルの特性インピーダンスと反射の現象
(2) 反射の対策-終端抵抗を入れる
(3) 実際の各種の終端方法
(4) ケーブルの分岐と反射-現象と対策
(5) 定常波とその影響-終端してあれば通常は無視できる
(6) 変形された終端の各種方法-特定の用途に利用する
(7) 反射の影響を無視できる条件
第7章 光ファイバ・ケーブル-電気よりも優れた伝送路
7.1 光ファイバの原理と種類
(1) 光ファイバ伝送の概要-電気ケーブルと比較して
(2) 光ファイバの原理-全反射によって光をファイバに閉じ込める
(3) 光ファイバの種類-距離と速度により使い分ける
7.2 光ファイバの特性-電気よりも優れている
(1) 減衰量は小さいが周波数特性が存在する
(2) 電気ケーブルとの比較1-高速/長距離が可能
(3) 電気ケーブルとの比較2-ノイズに強い
7.3 光ファイバの接続と分岐-この点では電気に劣る
(1) 接続-施工性と損失が問題である
(2) 分岐-光分岐器が必要である
(3) 光データ・リンク-光学の技術がなくてもよい
第8章 ノイズの問題とその対策-電気の泣きどころを解決する
8.1 ノイズとその種類
(1) ノイズの侵入経路と原因-回路図にない回路が問題になる
(2) 乗ってしまったノイズの種類-ノーマル・モードとコモン・モード
8.2 ノーマル・モード・ノイズとその対策-第一は乗せないこと
(1) ノイズを乗せないことが重要である
(2) フィルタを利用する
8.3 コモン・モード・ノイズとその対策-乗ってしまっても対策がある
(1) 差動型レシーバの利用-小さなコモン・モード・ノイズに有効
(2) 絶縁の原理と効用-大きなコモン・モード・ノイズに有効
(3) 伝送用トランス-もう一つのコモン・モード・ノイズ対策
8.4 シールと平衡-ノイズを受けない対策
(1) シールとその効用-ノイズを絶対値として防ぐ
(2) 平衡の原理とその効果-ノーマル・モード・ノイズを防ぐ
8.5 クロストーク-互いに加害者になりあう
(1) クロストークとその対策
(2) フラット・ケーブルのクロストークの実験
(3) 通信ケーブルのクロストークの実験
(4) クロストークの一般データ
第9章 絶縁とそのドライバ/レシーバ回路-有効なノイズ対策
9.1 トランス絶縁とそのドライバ/レシーバ回路
(1) ディジタル信号用のパルス・トランス-特性と使い方
(2) トランス用ドライバ/レシーバ回路
(3) バイポーラ符号用ドライバ/レシーバ回路
9.2 フォト・カプラ絶縁とカレント・ループ
(1) フォト・カプラの特性と使い方
(2) 伝送への適用とカレント・ループ
(3) 10mAカレント・ループ-経済性を高める
(4) 高速カレント・ループ-高速伝送も可能
(5) 半2重と多箇所用カレント・ループ
第10章 伝送誤り制御-誤りの検出と訂正
10.1 伝送誤りの性質とその検出方法-確率現象である
(1) 伝送誤りの性質-ランダム誤りとバースト誤り
(2) チェック・コードの評価-性能と簡単さ
10.2 誤り検出各方式-その特徴と性能
(1) パリティ・チェック-もっとも簡単だが性能は低い
(2) 2連送照合-簡単でしかも高性能
(3) CRCコード-多数あり優れた能力をもつものが利用される
(4) 誤り訂正コード-検出だけでなく訂正可能なコードもある
10.3 伝送誤り制御の手順-より信頼性を高くする手順
(1) 再送とその一般的手順
(2) 抜けと重複の発生とその対策-誤り制御の信頼性を高める
10.4 サイクリック伝送における誤り制御の方法
(1) チェック・コードを付ける方式
(2) チェック・コードを付けない方式
(3) ソフトウェアによる方法
(4) 単純多重伝送
第3部 伝送高度化の技術-さらに高度化をはかるための技術
第11章 変調と符号化-伝送路の周波数特性に対応する技術
11.1 変調の技術-アナログ技術で信号の周波数帯を狭くする
(1) 変調の基礎技術-変調の効用
(2) 電話回線用モデム
(3) モデム用LSI-LSIはディジタル化されている
11.2 符号化の技術-ディジタル技術で周波数帯を狭くする
(1) 符号化の目的-長距離高速化とクロックの多重化
(2) 符号の種類とその符号化/復号化の回路
11.3 イコライザ-伝送路の周波数特性を補償する
(1) イコライザとは-一種のアナログ・フィルタである
(2) 伝送路の許容減衰量とイコライザとの関係
(3) ディジタル信号用イコライザ
(4) モデム用イコライザ
第12章 同期の技術-クロックの多重化と同期性能の向上
12.1 同期とその種類
(1) キャラクタ・ベースの同期
(2) ビット・ベースの同期
12.2 データにクロックをふくませて送る
(1) 符号化を利用する
(2) 自己同期用符号-(完全クロック)-ビットごとにクロックを含む
(3) 自己同期用符号-[不完全クロック(1)]-データの性質と組み合わせる
(4) 自己同期用符号-[不完全クロック(2)]-特定なときだけ利用可能
(5) 自己同期用符号と伝送用LSIの利用
(6) スクランブル-モデムに利用する
12.3 伝送誤りにおける同期の影響
(1) 伝送信号にはジッタが発生する-伝送誤りの一つの要因
(2) 同期はずれの発生とその原因-連続する誤りを引き起こす
12.4 PLLによる同期性能の向上-ジッタと同期はずれの防止
(1) PLLとその同期への適用
(2) PLLの技術
(3) 同期におけるPLLの効用
(4) PLLの欠点-引き込みに時間がかかる
12.5 ディジタルPLLと水晶発振型PLL
(1) ディジタルPLL-PLLの欠点を取り除く
(2) 伝送用LSIの利用
(3) 水晶発振型PLL-特徴のあるPLL
第13章 多重伝送と簡易ネットワーク伝送
13.1 多重伝送とサイクリック伝送
(1) 多重伝送とは
(2) 多重伝送の用途-計測データの伝送と汎用多重伝送
(3) ネットワーク伝送を利用した多重伝送
13.2 汎用ネットワーク伝送
(1) 汎用親子式伝送
(2) リモート・プロセス入出力装置
(3) 任意間伝送機能
第14章 ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)
14.1 LANの基礎-高度なネットワーク伝送
(1) LANの基本機能-ネットワークの形態とタイム・シェアリング
(2) 伝送路アクセスの制御-LAN固有の機能
14.2 LANの実際-具体的な製品例
(1) LANの標準化
(2) イーサネット
(3) トークン・バス
(4) トークン・リング
(5) LANの相互接続