徹底図解 さまざまな物理量を電気信号に変換して処理するために
TRSP No.111 センサ・デバイス活用ノート
トランジスタ技術SPECIAL編集部 編
B5判 144ページ
定価1,980円(税込)
JAN9784789849111
2010年7月1日発行
好評発売中!
ある物体の位置や向き,角度や加速度,圧力,あるいはある場所の明るさ,温度や湿度など,さまざまな物理量が計測や制御に利用されています.また,身の回りの家電製品やゲーム機などにも広く応用されてきています.電子回路にこれらの物理量を情報として入力するためには,それぞれの物理量を電気信号に変換するセンサが必要になります.センサには,アプリケーションで必要とされる精度や検出範囲,あるいは使用条件や動作仕様によって,さまざまな方式や種類があります.
特集では,簡単に利用できるワンチップのICタイプのセンサから高精度な計測用途向けのセンサまで,いろいろなセンサ・デバイスについて解説します.
目次
◆基礎編
イントロダクション [基礎編]で紹介するセンサの応用例
何気なく使っているセンサから安全に役立つセンサまで
第1章 暮らしに役立つセンサ
1-1 直径0.5mmの振動板と駆動用回路を内蔵
表面実装が可能で信頼性の高いマイク
1-2 ほこりがLEDの光を散乱させると電圧が出力される
空気中のほこりを検出するセンサ
1-3 赤外線LEDと赤外線検出器を専用ICに接続して作る
音で火災を知らせる煙センサ
1-4 ボイラーの点火確認や火災警報器に応用できる
紫外線によって遠くの炎でも検出できるセンサ
1-5 口臭などの水気の多い場所の悪臭を低濃度から検出する
悪臭の原因になりやすいガスを検出するセンサ
1-6 窓ガラスに貼り付けて防犯用に使える
物をぶつけたときの衝撃を検出できる頑丈なセンサ
1-7 ファンの目詰まりを検出して換気能力を保つ
気体の流れを検出する風量型フロー・センサ
1-8 直交した2軸の磁気センサからの信号を得る
地磁気から方角を求めることができるセンサ
目に見えない磁気/赤外線/超音波を利用する
第2章 非接触で物体の接近や距離を検出するセンサ
2-1 磁石の接近を検出するセンサ
開閉スイッチの代わりになるセンサ
2-2 磁気抵抗効果を使った磁界の検出
消費電流が3オAと小さい磁石接近センサ
2-3 反射光の位置から距離を検出する
40 30cmの距離を測定する電圧出力の赤外線センサ
2-4 反射対象の色や反射率に影響されにくい三角測距
物体が一定の距離内にあるかどうかを判定するセンサ
2-5 時間幅を測定してマイコンで距離を計算する
透明な対象でも測れて雨に強い距離を測定するセンサ
2-6 ライン・トレース・ロボットなどにも使える
5mm程度の位置に物体があるか検出する光センサ
2-7 信号光と同期して信号検出を行う光変調型フォトIC
部品数が少なく誤動作しにくい通過/接近センサ
2-8 変調をかけて自分自身のセンサ出力だけに反応させる
周りの光で誤動作しにくい通過/接近センサ
2-9 耳に聞こえない周波数の音の反射を検出
雨やほこりに強い接近センサ
2-10 角度によって感度を変えて物体の移動を検出する
数m以内の動く動物や人を検出するセンサ
2-11 道路の横断など広い場所で物体の通過を検出できる
5m以上離れて物体があるかを検出する反射型センサ
2-12 シリコン・マイクのもつ本来の特性を生かす
10kから65kHzで使える広帯域の超音波センサ
直線移動を高精度に検出したり微小な力を検出したりする
第3章 移動や力を検出するセンサ
3-1 レーザ光の反射による時間差を検出する
0.5から100mの距離を5mm精度で検出するセンサ
3-2 物体に貼り付けたマーカをライン・センサで読み取る
直線移動の位置を数十cmの距離から0.1mm精度で検出するセンサ
3-3 磁石に対するセンサの位置を高精度に読み取る
直線移動の位置を1cmの距離から0.5μm精度で検出するセンサ
3-4 磁石の移動をホール素子で検出する
約1mmの直線移動位置を1から3mmの距離から1μm単位で検出するセンサ
3-5 レールに取り付けたマークを物体側のセンサで読み取る
数mのレールの上を動く物体の位置を1μm精度で検出するセンサ
3-6 電源不要で扱いやすい
数cmから数十cmのレール上の位置を1%以下の誤差で検出するセンサ
3-7 温度範囲が広く機械的に堅牢かつ高精度
数mm〜数十cmの直線移動を数μm精度で検出するセンサ
3-8 容量-ディジタル・コンバータとPICマイコンで作る
1μmの分解能をもつ容量検出式の変位センサ
3-9 感圧ゴムを使い4kgの重量までの圧力を抵抗値の変化としてとらえる
厚み0.3mmで場所をとらない圧力センサ
3-10 μmオーダのひずみも測ることができる
力が加わったことによる微小なひずみを検出するセンサ
3-11 ±1gから±20gまでの加速度を測る
信頼性の高いストレイン・ゲージ型加速度センサ
3-12 非直線性が標準0.1%で±2gまでの加速度が測れる
任意の方向の角度や自由落下の検出に使える
3-13 ±2gで1000mV/gの感度を得られる加速度センサ
出荷時の特性データが付属する加速度センサ・モジュール
3-14 分解能0.05°の傾斜センサ
出荷時の特性データが付属する傾斜センサ・モジュール
コラム
・人の感覚に近い面状圧センサ
回転速度/角度/原点を検出する
第4章 回転を検出するセンサ
4-1 電源不要で回路を単純化できる
機械的な衝撃に強い回転速度センサ
4-2 ゼロ点からの変化量で回転角度を知ることも可能
回転の変化量や回転速度がわかるセンサ
4-3 スリット入りの円板をセンサとは別に用意する
必要な性能を選べる回転角の変化量を検出するセンサ
4-4 多極着磁したりリング状磁石の磁界をホール素子で検出
回転数や回転の方向を検出するほこりや汚れに強いセンサ
4-5 検出方法は複雑だが堅牢で最大25ビットの分解能が得られる
温度範囲が広く機械的な衝撃に強い回転位置センサ
4-6 ソフトウェアの手助けなしに位置のディジタル・データを出力できる
角度の絶対値データを出力する
4-7 回転体に一箇所磁石を取り付けてホールICで検出
回転の原点を非接触で検出するほこりや汚れに強いセンサ
4-8 電源不要かつ安価で扱いやすい
可動範囲が±140°程度と狭いが扱いやすい角度センサ
4-9 抵抗分圧により角度情報を得られる
回転位置を簡単に検出できる扱いやすいセンサ
4-10 インクリメンタル・エンコーダとメモリの組み合わせで33ビット分解能を実現
高分解能で絶対位置を把握できる回転位置センサ
4-11 圧電型振動ジャイロによる角速度の検出
自分の回転を検出できるセンサ
4-12 セルフ・テスト機能と電圧比出力をもつ
ワンチップのジャイロ・センサ
コラム
・位置測定に使われるジャイロ・センサと加速度センサ
光電効果を利用したさまざまなセンサ
第5章 画像/色/明るさを検出するセンサ
5-1 フォト・ダイオードと電流-電圧変換回路の組み合わせ
1から10000ルクスを測定できる照度センサ
5-2 外付け部品が少なくてすむ電流増幅タイプ
光源による明るさの誤差が小さい照度センサ
5-3 フォト・トランジスタと同じ使いかたができる
0.1から1000ルクスを測定できる外付け部品の少ないセンサ
5-4 アンプ内蔵でマイコンに直結できる
光の三原色のうちどれか一つを検出するセンサ
5-5 アナログ出力とディジタル出力が選べる
RGBを同時に検出して対象の色を把握するセンサ
5-6 CCDとCMOSの使い分け
映像を電気信号に変える2種類のセンサ
5-7 集積化できるCMOSの特徴を生かした画像センサの例
マイコンで制御できるワンチップ・イメージ・センサ
0.1℃精度の温度測定から1%精度の湿度測定まで
第6章 温度/湿度/気圧を測定するセンサ
6-1 精度の必要ない温度測定や温度補償回路に向く
温度に比例して抵抗値が大きくなる感温抵抗
6-2 携帯機器内部や基板上での温度補償回路に向く
表面実装で設置スペースをとらない温度センサ
6-3 熱による赤外線放射を検出して温度に変換する
非接触で表面温度を測定できるセンサ
6-4 電圧計があれば温度を数値表示できる
温度に比例した直流電圧を出力する温度センサ
6-5 A-Dコンバータ内蔵でマイコンとシリアル接続する
温度のディジタル・データを得られるセンサ
6-6 アナログ入力のないマイコンでも温度データを取れる
PWM出力の温度センサ
6-7 サーミスタの非直線性を補正する具体例
0から250°Cを少ない部品点数で測れる温度センサ
6-8 測温抵抗体を使うことで高精度が得られる
-50から-500°Cを0.1°C単位の精度で測れるセンサ
6-9 温度範囲の広い熱電対温度計を使う方法
-200°C以下や1000°C以上の温度を測定するセンサ
6-10 温度変化だけを捉えるなら高感度なサーミスタが良い
1/10000°Cの温度変化を検出できるセンサ
6-11 抵抗変化を電圧に変換する
20から100%の湿度を測定する湿度センサ
6-12 容量変化を周波数変化で取り出す
0から100%の湿度を0〜1Vのアナログ電圧で出力するセンサ
6-13 容量変化を周波数変化として取り出す
0から100%の湿度を1%未満の精度で測定できるセンサ
6-14 ピエゾ抵抗を使ったひずみゲージによる圧力センサ
気体の大気圧に対する圧力差を検出するセンサ
コラム
・温度の変化で気体の流量を測るセンサ
バッテリの充放電モニタから電力測定まで
第7章 電流を検出するセンサ
7-1 交流/直流両用のサーボ型電流センサを手作り
0から30Aを直流から100kHzまで必接触で測るセンサ
7-2 電力測定のためにAC100Vの電流を測る
交流電流を絶縁して安全に測れるセンサ
7-3 電流が発生する磁界をホール素子で検出する
IC下の導体に流れる電流を検出するセンサ
7-4 抵抗より簡単安全でセンサ・モジュールより小型
直流から50kHzまでの電流を精度1.5%で測定できる小型センサIC
7-5 化学的な作用による微小電流まで測れる
微小な直流電流の非接触測定に向いた電流センサ
7-6 バッテリの充放電電流の制御などに使える
電流ラインに流れる電流を抵抗で検出する
Appendix-A
・フラットな面に触れるスマートな入力デバイス
・タッチ・パネル&タッチ・センサの実際
コラム
・A-Dコンバータがなくても大丈夫!?
・スイッチト・キャパシタの動作
◆実践編
軽薄短小で24時間以上連続記録できる
第8章 SDカード使用の携帯加速度ロガー
8-1 電池駆動でメモリ・カードにデータを記録する
本器の仕様
8-2 小形の3軸タイプでシリアル・インターフェースのもの
加速度センサの選定
8-3 マイコンとメモリ・カード
その他のキー・パーツ
8-4 マイコン側とパソコン側のプログラムがある
プログラムの概要
コラム
・SDカード対応と謳うためには…
Z軸でX軸またはY軸の測定感度を上げた
第9章 ±90°±0.5°,応答2秒の1軸傾斜計
9-1 使用するまえに校正が必要
仕様と使いかた
9-2 90°近辺での出力変化が小さい
測定傾斜角の精度をそろえる工夫
9-3 加速度センサはモジュール基板を利用する
ハードウェアの製作
9-4 温度や電源電圧の変化によって変動する
加速度センサのオフセット変動への対応
9-5 限られたプログラム領域を工夫して使う
ソフトウェアの作成
コラム
・加速度センサは傾斜計に向かない?
・ミニ用語解説
DCからACまで非接触で測定できる
第10章 ホール素子型DC電流センサの使いかた
10-1 オープン・ループ方式とクローズド・ループ方式がある
直流磁界を検出できるホール素子を使った電流センサ
10-2 30Aまで高精度で測定できる
サーボ式DC電流センサの試作
10-3 ±40Aを100kHzまで測定できる
サーボ式DC/AC電流センサの試作
10-4 組み込み向けのモジュールとして利用できる
市販のホール素子型電流センサ
ターゲットの反射率や色の違いによらず安定した測定値が得られる
第11章 三角測量方式PSD内蔵測距センサの使いかた
11-1 反射物の色や反射率の影響を受けずに距離を測定できる
三角測量の原理を応用した光学式センサ
11-2 温度特性とノイズに注意して使用する
距離センサGP2Y0A21YK0Fのしくみと特性
11-3 電源の安定化と取り付け方法に注意
使いかたの基本
11-4 正確な出力信号を得るために
光学フィルタの選びかたと取り付け
コラム
・距離センサと掃除機ロボット
外付け回路不要のカラー・センサ・モジュールを使った
第12章 簡易カラー・メータの製作
12-1 RGBの強度をアナログ電圧で出力する
HDJD-S831-QT333の概要と特徴
12-2 1000Kステップで5段階の色温度を測定する
簡易カラー・メータの製作
コラム
・人の目はR,G,Bのセンサをもっている
・人の目と同じ働きをするカラー・センサ
・色センサの使いかたは反射光と透過光で違う
・R,G,Bの色信号から色あいと輝度を割り出す方法
・ダイナミック・レンジが広く反射タイプの汎用カラー・センサ
ボルトやねじの締め付け力を測定する
第13章 磁気センサを応用した軸力計の製作
13-1 軸力で管理する手法
ボルトやねじの締め付け力の管理法
13-2 締め付け前後のボルト頭部の鉄損値の差から求める
鉄損を計測する方式の軸力計の原理
13-3 鉄損測定方式で構成する
軸力計の実験回路
Appendix-B
・±15V動作に変更した
・鉄損計測方式による軸力計の実験回路…その2
コラム
・ヒステリシス損
・渦電流損
・AC電流センサとUSBオシロスコープを使って
・家庭の消費電流を測定する
・ギャップ補償回路について
・クランプ式電流センサ