徹底図解 アナログ信号を処理する簡単便利なワンチップIC
TRSP No.104 OPアンプIC活用ノート
トランジスタ技術SPECIAL編集部 編
B5判 144ページ
定価1,980円(税込)
JAN9784789849043
2008年10月1日発行
好評発売中!
アナログ回路にできてディジタル回路にできないことはまだあります.ディジタル回路は,物理的変化を電気信号に変換する電子回路の入口「センサ」が出力するマイクロ・ボルトの微小信号を増幅したり,その伝達経路を切り替えるようなことはできません.アナログ回路は,センサが出力する繊細な信号の増幅やノイズ除去を一瞬にして行い,1と0の信号に分解してディジタル回路に手渡します.出力部でも同じことがいえます.ディジタル回路は,モータを回すのに必要な数十アンペアの大きな信号を出力してはくれません.アナログ回路はディジタル回路が出力する1と0の信号を受け取ると,一瞬にして連続信号に変換し,電圧と電流を増幅してモータに供給し力強く回転させることができます.このように電子回路を見ると,アナログ回路の出来ばえがシステムの価値を大きく左右することがわかります.
本書の主役であるOPアンプは,増幅しても良し,雑音除去に使ってもよし,発振回路に使ってもよしの「アナログ信号処理の定番デバイス」です.インターフェース部の中心的な役割を果たしており,計測用,ビデオ用,オーディオ用など,アプリケーションに特化したものが数多く市販されています.
目次
測定器や信号発生器にはパソコンを活用しよう
第1章 OPアンプ応用回路を実験で学ぶ
1-1 OPアンプはアナログ回路の基本素子
1-2 実験の準備
1-3 OPアンプの種類
1-4 OPアンプICの定格と電気的特性
信号を増幅する二つの動作がOPアンプ応用の基本
第2章 OPアンプの基本的な使いかた
2-1 増幅IC「OPアンプ」を動かしてみる
2-2 電圧フォロワを作る
2-3 OPアンプのふるまいと取り扱い
2-4 基本となる3種類の増幅回路
OPアンプで計算や比較を行う
第3章加減算回路と比較回路
3-1 加算回路の動作
3-2 比較回路の動作
方形波や三角波などの繰り返し信号を発生する方法
第4章 信号波形を作り出してみよう
4-1 方形波/三角波発振回路
4-2 周期/周波数/振幅を変えてみよう
4-3 信号を発生する回路とそのしくみ
マイナス電源も使わないディジタルに対応
第5章 プラス電源だけでOPアンプを動かす
5-1 単電源動作のための基礎知識
5-2 単電源で非反転増幅回路と減算回路を作る
5-3 交流信号を増幅するときの定石
5-4 疑似グラウンドを使う
微小で繊細な信号に力強さを加える
第6章 センサ出力や音声を増幅する
6-1 計測に使える増幅回路を作る
6-2 「インスツルメンテーション・アンプ」を使う
6-3 交流信号だけを上手に増幅する方法
電流/抵抗/周波数と電圧を相互に変換
第7章 電圧以外の信号を扱う
7-1 電流を電圧に変換する
7-2 電圧を電流に変換する
7-3 抵抗を電圧に変換する
7-4 電圧を周波数に変換する
三角波を方形波に換えたり,波形のエッジを検出したり
第8章 OPアンプで加減算と微積分
8-1 加減算を行う回路
8-2 積分を行う回路
8-3 微分を行う回路
回路のフィルタでふるいにかける
第9章 必要な周波数成分を抽出する
9-1 フィルタの基礎知識
9-2 実際のフィルタ回路
サーミスタと白金測温抵抗体をA-Dコンバータにインターフェースする
第10章 温度センサ回路におけるOPアンプの応用
10-1 サーミスタ・インターフェース回路
10-2 白金測温抵抗体のインターフェース回路
不要な信号を濾過して必要な信号だけを取り出す
第11章 フィルタ回路におけるOPアンプの応用
11-1 OPアンプ1個で作る3次ロー・パス・フィルタ
11-2 ロー・パス・フィルタの過渡特性を補正する
11-3 800Hzバンド・パス・フィルタ
Appendix-A 回路構成と伝達関数
さまざまなアナログ信号処理機能を実現する
第12章 スペシャル・ファンクション回路におけるOPアンプの応用
12-1 パワーOPアンプを使った半導体レーザ・ドライバ
12-2 40kHz同期検波回路
12-3 低雑音マイクロホン・プリアンプ
12-4 アナログ電圧乗算器