プロトコルの基本から基板設計,機能実装まで
PCI Express設計の基礎と応用
畑山 仁 編著
A5判 336ページ(4C:8ページ)
定価2,750円(税込)
JAN9784789846417
2010年5月15日発行
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パソコンの拡張用外部インターフェースが従来のPCIからPCI Expressに置き換わっています.それに伴って,産業用機器や高速伝送が必要な画像処理機器,通信機器でもPCI Expressが普及してきました.しかし数Gビット/秒におよぶ高速シリアル・インターフェースであるPCI Expressのボード設計やFPGA設計は一筋縄ではいきません.
そこで本書では,PCI Expressの基礎知識やアドイン・カードのハードウェア設計,高速シリアル信号の計測技術などについて解説します.
(本書は,Design Wave Magazine掲載記事を中心に加筆・再編集したものです.)
目次
カラー・プレビュー PCI Expressアドイン・カード解体新書
100枚もの画像をたった1秒で送ることができる高速シリアル・インターフェース
Prologue PCI Expressの時代がやってきた!
1 PCI Expressとは
2 PCIから進化したPCI Express
3 PCI Expressでできること
4 転送速度を選べる/基板設計が容易/PCIとソフトウェア互換…
5 作り込みやすくなってきたPCI Express
6 USB 3.0はPCI Expressの物理層を採用
【コラム】データ転送のシリアル化が進む理由
プロトコル構成やレジスタや物理層の動作などがしっかり分かる!
第1章 PCI Expressの基礎知識
1-1 システム構成とプロトコル階層
1-2 トランザクション層の機能
1-3 データ・リンク層の機能
1-4 ソフトウェア層――従来PCIとの互換性を維持
1-5 物理層の技術
1-6 物理層の電気サブブロック基本技術
【コラム1-1】PCI Express策定の歴史
【コラム1-2】反射やノイズに配慮したクロック伝送の工夫
物理現象を理解すれば高速差動伝送は怖くない!
第2章 伝送方式とプリント・パターン設計
2-1 当たり前になってきた高速シリアル信号
2-2 マザーボード上の高速インターフェースの信号を考察する
2-3 プリント基板パターン設計のポイント
2-4 Gen1(2.5Gbps)とGen2(5Gbps)の違い
2-5 5Gbps,Gen2基板の配線パターン設計
【コラム2-1】ガラス繊維の編み方による信号劣化
誤挿入防止や取り付けのための工夫が分かる
Appendix A アドイン・カードのピン配置と外形寸法
A-1 コネクタのピン・アサイン
A-2 外形寸法や取り付けのしくみ
低コストのアドイン・カードで使う高速パラレル・インターフェースPIPE
第3章 PHYチップを使った基板設計
3-1 PHYチップのメリットとデメリット
3-2 標準インターフェースPIPEとは
3-3 高速パラレル・インターフェースPIPEの基板設計
3-4 PCI ExpressソフトIPコアの実装例
3-5 PHYチップとPIPEの今後
マルチ電源の回路設計と基板設計をマスタ!
第4章 アドイン・カードの電源設計
4-1 要求される電源仕様
4-2 電源仕様を満たし小型化できる電源デバイスを選ぶ
4-3 プリント・パターン設計
【コラム4-1】PCI Expressパワーアップ・シーケンス
CPUを介さず高速にデータをやりとりさせる
Appendix B FPGAで実現するDMA転送
B-1 ハード・マクロとソフト・マクロの回路使用率の違い
B-2 DMA転送速度の測定実験
B-3 最大データ転送量の最適化設計
ソース公開の無償IPコアでよく分かる
第5章 FPGA用IPコアの選び方
5-1 PCI Expressのおさらい
5-2 IPコアの選定基準
【コラム5-1】高価なロジアナを使わずにFPGAの実機動作を確認する方法
無償IPコアですぐ試せる
第6章 IPコアを使ったFPGA設計入門
6-1 転送速度の実測
6-2 転送速度を見積もる
6-3 x8サポート対象外のFPGAでx8を実現する技術
【コラム6-1】ソース・コードを公開した無償のPCI Express IPコア
【コラム6-2】PCI Express IPコア開発に要する時間
データ転送能力を最大限に取り出す
第7章 IPコアを使ったLSI設計事例
7-1 要求機能と性能の洗い出し
7-2 PCI ExpressのIPコア選定
7-3 PCI Express搭載LSI開発の注意点
7-4 FPGAによる実機評価
【コラム7-1】PCI Express-ローカル・バス・ブリッジLSIの特徴
ジッタやアイ・ダイヤグラムが分かる
第8章 信号品質の評価方法とコンプライアンス・テスト
8-1 要求される信号品質テスト項目
8-2 送受信端の信号の仕様
8-3 物理層コンプライアンス・テストの進め方
8-4 開発段階で使う測定技術
【コラム8-1】オシロスコープの周波数帯域
【コラム8-2】ケーブル仕様とExpressCard
高速シリアル伝送で重要
第9章 ジッタ仕様と測定環境
9-1 ますます重要になるジッタ測定
9-2 5Gbpsで採用されたジッタ測定
9-3 オシロスコープの選び方
9-4 プローブやケーブルの接続
ランダム・ジッタとデタミニスティック・ジッタ
Appendix C ジッタの特徴と測定原理
C-1 ジッタの種類と特徴
C-2 ジッタ測定の原理
アドレス空間を割り当ててハードウェア情報を格納する
第10章 ソフトウェアの階層構造とハードウェアとの関連付け
10-1 ソフトウェアの構成と役割
10-2 CPUとハードウェアの関連付け
各階層で用意されるインターフェースを整理する
第11章 PCI Expressソフトウェアの役割
11-1 BIOS:ハードウェアにアクセスするインターフェース
11-2 バス・ドライバ:バス構成で使うデバイス・ドライバの一種
11-3 デバイス・ドライバ:アプリケーションとの窓口
レーン数や信号の極性などユーザの独自仕様に適応するための初期設定動作を理解する
第12章 ハードウェア接続時の初期化処理
12-1 通信経路を確立するまでに行うこと
12-2 リンクの初期化時に対向デバイスから送られるデータ列
12-3 手順その1:通信相手がいるかを確認するレシーバ検出
12-4 手順その2:通信経路の状態を調べるためのリンク・トレーニング詳細
筆者紹介
■畑山 仁 プロローグ,第1章,第8章,第9章,Appendix-C,第12章
■野崎 原生 第1章,第12章
■志田 晟 第2章,Appendix-A
■福田 光治 カラー・プリビュー,第3章
■鈴木 正人 第4章,Appendix-B
■今井 淳 第4章,Appendix-B
■川井 敦 第5章,第6章
■五十嵐 拓郎 第7章
■永尾 裕樹 第10章,第11章