正しくデータを送るための基礎知識と高速化の技術
TRSP No.93 ディジタル・データ伝送技術入門
志田 晟 著
B5変型判 208ページ
定価2,420円(税込)
JAN9784789837545
2006年1月1日発行
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一昔前は,アナログ回路技術がエレクトロニクスの基本でしたが,現在ではマイクロプロセッサを中心としたディジタル技術に主流が移ってきました.したがって,ディジタル・データをいかにして扱うかが,電子技術者の大きな仕事になっています.すなわち,回路設計は,IC間におけるデータ伝送であり,システム設計はプリント基板間や装置間におけるデータ伝送です.さらに,ケーブルなどを使って,より遠くまで確実にデータを送ることが必要とされます.そのためには,物理的な知識に加えて,さまざまな通信規約などの知識が不可欠になります.
本書は,このような確実に,また高速にデータを送るために技術者が知っておかなければならない知識をわかりやくすく整理してまとめました.
なお,本書は,2003年4月号から2004年3月号までトランジスタ技術誌に連載された「高速ディジタル・データ伝送入門」を加筆・再編集したものです.
■第1章 信号の伝わり方
1.1 オームの実験と直流電流
1.2 電流とは何か
1.3 電気信号の伝わり方
1.4 ディジタル回路基板を通る電気信号
1.5 マイクロストリップ線路を伝わる電気信号
1.6 パルス信号の伝わり方
■第2章 ディジタル・データの送り方
2.1 ディジタル信号を送る
2.2 伝送線路とは何か
2.3 反射とリンギング
■第3章 ディジタル通信の基礎
3.1 ディジタル伝送とディジタル通信
3.2 変調と非変調
3.3 パラレル伝送とシリアル伝送
3.4 通信と伝送の形態
3.5 いろいろな同期方式
3.6 データに同期クロックを埋め込む方法
3.7 送信データのチェックと訂正
3.8 通信伝送の階層――OSI
■第4章 ディジタルIC間のインターフェース
4.1 ICの立ち上がり時間と配線長の関係
4.2 汎用ロジックICの動向
4.3 汎用ロジックICの歴史
4.4 ロジックICを使うための基礎知識
4.5 異なるロジックICどうしの接続テクニック
■第5章 電流モード・ロジック・デバイスの使い方
5.1 電流モード・ロジック・デバイスとは
5.2 電流モード・ロジックの回路構造
5.3 ECL回路の動作
5.4 CML回路の動作
5.5 ECLと他のロジックICファミリとの接続
【コラム5.A】 伝送線路の特性インピーダンス
■第6章 シングルエンド・ディジタル伝送の基礎
6.1 シングルエンド伝送とは
6.2 シングルエンド伝送のクロストーク
6.3 シリアル・ポートの問題
6.4 ケーブル長と分布定数回路
6.5 パラレル・ポートの問題
6.6 IEEE1284規格について
■第7章 差動ディジタル伝送の基礎
7.1 差動ディジタル伝送線路の特性インピーダンス
7.2 差動伝送線路を設計してみよう
7.3 伝送線路に発生するコモン・モード・ノイズ
7.4 コモン・モード・ノイズの反射
7.5 差動伝送線路の4種類のインピーダンス
7.6 コモン・モード・ノイズの終端
7.7 終端の具体的な対策例
7.8 差動伝送線路を単発パルスが伝わるようす
7.9 LVDSインターフェースの試験信号発生器
【コラム7.B】 グラウンド層との距離と差動インピーダンス
■第8章 ケーブルを使ったシリアル・データ伝送技術
8.1 さまざまなシリアル・データ伝送規格
8.2 RS232(TIA/EIA-232-F)
8.3 TIA/EIA-422とTIA/EIA-485
8.4 I2Cバス
8.5 1-Wire(MicroLAN)
■第9章 差動伝送インターフェースLVDSとUSB
9.1 LVDSのあらまし
9.2 TIA/EIA-232/423,IEEE1284-Cの限界
9.3 LVDSが高速信号を確実に伝送できる理由
9.4 LVDSの規格とその特徴
9.5 LVDSを伝わる高速信号のようす
9.6 USBの規格とその特徴
9.7 USBの差動信号を評価する方法
■第10章 パソコンのマザー・ボード内のデータ伝送
10.1 ボード内の一般的なIC間伝送方式
10.2 メモリ周辺の高速伝送方式
10.3 マザー・ボードのその他の伝送方式
10.4 FPGAが汎用ディジタル回路の主流
■第11章 パソコン内部のインターフェース規格
11.1 パソコンの内部バスの変化
11.2 拡張カード用バスの変化
11.3 PCIバスのデータ伝送速度の高速化
11.4 PCI-Xのプリント基板の階層構造
11.5 シリアル伝送の新しいバス規格──PCI Express
11.6 グラフィック・カード専用の高速バス──AGP
11.7 CPU周辺の高速バス規格
11.8 ハード・ディスク・インターフェース──ATA
■第12章 イーサネットとギガ・ビット高速伝送技術
12.1 イーサネットの概要
12.2 ギガ・ビット・イーサネット1000Base-T
12.3 高速シリアル伝送のための技術
12.4 10Gビット/sの超高速シリアル伝送技術
■APPENDIX 高速信号の観測に不可欠なアクティブ・プローブ
アクティブ・プローブの構造と特性