電子回路の性能を決める受動部品の基礎と応用
TRSP No.89 コンデンサ/抵抗/コイル活用入門
トランジスタ技術SPECIAL編集部 編
B5変型判 204ページ
定価2,420円(税込)
JAN9784789837507
2005年1月1日発行
好評発売中!
抵抗やコンデンサの形状は,従来はアキシャル・タイプ(本体からまっすぐ両側にリード線が出ているもの)が標準でしたが,現在ではチップ型のものが主流になっています. チップ部品のはんだ付けは非常に難しいので,電子回路の自作が好きなアマチュアにとっては受難の時代になったといえるかもしれません.
しかし,プロのエンジニアにとって,これらの電子部品の知識がなければ製品を作ることはできません.また,他社の製品に負けないためには,性能とコストのバランスを最適にしなければなりません.すなわち,高性能な部品ばかりを使用すれば性能は上がりますが,価格で勝てなくなります.そのためには,入手可能な部品がどのような性能をもっているのか,またどのような形状をしているのかを熟知している必要があります.
本書では,電子回路の中では脇役という扱いですが,重要な役割を担う受動部品であるコンデンサ,抵抗,コイルを取り上げ,素子の構造や動作原理,応用回路例,使用上の注意などについて詳しく解説しました.
イントロダクション
コンデンサ,抵抗,コイルの電子回路における役割
0.1 回路設計において考えなければならないこと
0.2 回路定数を決めるときに考えなければならないこと
0.3 回路定数以外に大切なこと
第一部 コンデンサの基礎と応用
第1章 セラミック・チップ・コンデンサ
1.1 積層セラミック・チップ・コンデンサ
1.2 温度補償型セラミック・コンデンサ
1.3 高誘電率セラミック・コンデンサ
【コラム1.A】 積分コンデンサの選定ミス
【コラム1.B】 セラミック・トリマ・コンデンサ
第2章 フィルム・コンデンサ
2.1 フィルム・コンデンサの基礎知識
2.2 フィルム・コンデンサの使用上の注意
2.3 ポリエステル・フィルム・コンデンサ(マイラ・コンデンサ)
2.4 ポリプロピレン・コンデンサ
2.5 ポリフェニレン・スルファイド・コンデンサ
第3章 電解コンデンサ
3.1 電解コンデンサの特性
3.2 アルミ電解コンデンサ
3.3 圧力センサ付きアルミ電解コンデンサ
3.4 有機半導体アルミ固体電解コンデンサOS-CON
3.5 導電性高分子電解コンデンサPOSCAP
3.6 チップ・タンタル固体電解コンデンサ
3.7 電解コンデンサの電子回路への応用
APPENDIX 電気二重層コンデンサ
1 電気二重層コンデンサの基礎知識
2 電気二重層コンデンサの選び方
3 電気二重層コンデンサを使用する上での注意
4 電気二重層コンデンサの使用法
第4章 コンデンサの選び方と使い方
4.1 基本的なコンデンサの応用
4.2 高周波回路におけるコンデンサの応用
4.3 パワー回路におけるコンデンサの応用
第二部 抵抗器の基礎と応用
第5章 チップ抵抗器
5.1 チップ抵抗器の概要
5.2 チップ抵抗器の基礎知識
5.3 チップ抵抗器の使い方
5.4 金属箔抵抗器
【コラム5.A】 高抵抗値抵抗器について
第6章 電力型巻き線抵抗器
6.1 電力型巻き線固定抵抗器の構造
6.2 巻き線抵抗器の巻き方
6.3 電力型巻き線抵抗器の種類
6.4 電力用抵抗器の電気的特性
【コラム6.A】 ポテンショメータ
第7章 パワー・サーミスタ
7.1 パワー・サーミスタの概要
7.2 パワー・サーミスタの使い方
7.3 パワー・サーミスタの応用例
第8章 電流測定用シャント抵抗器
8.1 シャント抵抗器の種類
8.2 シャント抵抗器の使用上の注意
第9章 抵抗器の選び方と使い方
9.1 基本的な抵抗器の使い方
9.2 高周波回路における抵抗器の応用
9.3 パワー回路における抵抗器の応用
第三部 コイルの基礎と応用
第10章 チップ・コイル
10.1 コイルの種類と構造
10.2 チップ・コイルの電気的特性
10.3 チップ・コイルの選択と使い方
第11章 小型コイル
11.1 小型コイルの分類
11.2 小型固定インダクタ
11.3 小型可変インダクタ
11.4 信号用LCフィルタ
11.5 特殊なコイル部品
第12章 コイルの選び方と使い方
12.1 コイルの動作原理
12.2 基本的なコイルの使い方
12.3 高周波用コイルの使い方
12.4 ノイズ対策用チップ・インダクタの使い方
12.5 パワー回路におけるコイルの使い方
【コラム12.A】 負荷Qと無負荷Q
【コラム12.B】 わざとコイルのQを低くして使うこともある
【コラム12.C】 空芯コイルの設計方