Last Update 2022/02/02

OPアンプ活用100の実践ノウハウ
最善の性能を引き出す選択と活用のすべて

松井 邦彦 著
A5判 216ページ
定価2,310円(税込)
JAN9784789832816
1999年1月1日発行
[絶版→新版移行2006.10.12] OPアンプ活用100の実践ノウハウ
こちらの商品は品切れ絶版となりました.新版の『復刻版 OPアンプ活用100の実践ノウハウ【オンデマンド版】』をお求めください.

 エレクトロニクスの世界には多くの信号が存在します.このうちアナログ信号…オーディオ信号,ビデオ信号,センサからの計測信号などを増幅・処理するための回路が「OPアンプ」と呼ばれるもので,ほとんどが使いやすいICとして供給されています.コストも,特殊なものを除けばトランジスタ並みの価格まで下がってきており,超高周波を除けば,ほとんどのアナログ信号処理に使えるようになってきました.
 OPアンプを使う技術は,勘所さえ抑えればさほど難しいものではありません.基本的な使い方のための良書も多くあります.しかし,その勘所のマスタがアナログ回路の初心者にとっては難しいことのようです.
 そこで本書では,OPアンプを間違いなく活用するためのノウハウを,特徴あるOPアンプの種類ごとにていねいに解説することにしました.
 OPアンプを使う技術者に必ず役立つ一冊です.

目次

第1章 はじめに理解するOPアンプ実践ノウハウ
1 OPアンプを使うところ
2 OPアンプは何Vで動かすのが良いか
3 ふつうの応用(〜1MHz,1Vオーダ)には汎用OPアンプを使う
4 使用温度範囲の広いOPアンプを求めると価格が高くなる
5 1パッケージ1回路,2回路,4回路入りがある
6 入力オフセット電圧は1回路入りOPアンプが小さい
7 負荷をドライブするときは容量負荷に強い汎用OPアンプを使う
8 数十mA以上を取り出せる出力電流の大きなOPアンプ
9 過大入力が入る可能性があるときは入力保護回路が必要
10 OPアンプ出力を外部へ引っ張るときの保護回路

第2章 単電源/ロー・パワーOPアンプ実践ノウハウ
11 OPアンプを単電源で使うには
12 汎用OPアンプは単電源で使えないのか
13 汎用OPアンプと単電源OPアンプの回路構成の違い
14 レール to レール入出力OPアンプの回路構成はどうなっているか
15 出力レベルの跳躍がないことを保証した単電源OPアンプ
16 単電源動作では完全0V出力にならない…レベル・シフトを使うのが利口
17 CMOSによる単電源OPアンプは容量負荷に弱い
18 ロー・パワー化のために動作電流を設定できるようにしたOPアンプ
19 動作電流を外部接続で設定できるようにしたロー・パワーOPアンプ
20 DC特性を改善したロー・パワーOPアンプ
21 高速用途にも使えるようになったロー・パワーOPアンプ

第3章 高精度OPアンプ回路実践ノウハウ
22 低オフセット電圧を実現しているOPアンプのトリミング技術
23 高精度OPアンプはバイポーラ入力タイプが使いやすい
24 バイポーラ入力OPアンプの入力バイアス電流を小さくしている技術
25 CMOSチョッパOPアンプは低周波ノイズが大きい
26 高精度mV DCアンプには入力フィルタが必要
27 高精度OPアンプではオフセット調整範囲を狭くする
28 高精度回路では調整範囲を狭くする
29 調整範囲を広くするときは固定抵抗の切り替えで対応する
30 非反転アンプでも高精度回路に使える…CMRRは大きい
31 CMRRを大きくとるには高精度OPアンプ
32 OPアンプ回路のアナログ・グラウンドは一点アースが基本
33 一点アースできないときの次善策
34 高精度mVアンプの近くには発熱素子を置かない
35 微小信号OPアンプ回路では電源デカップリングが大切

第4章 微小電流OPアンプ回路実践ノウハウ
36 微小電流OPアンプはMOS FET入力タイプが主流
37 微小電流OPアンプに使われている技術
38 fAオーダを実現した微小電流OPアンプ
39 微小入力バイアス電流の測定方法
40 微小電流回路では電流漏れを防ぐ工夫が重要
41 光センサ用I-V変換回路は発振しやすいので注意
42 I-V変換回路では発振止めに位相補償が必要
43 I-V変換回路の入力保護回路
44 I-V変換回路の信号線には低雑音同軸ケーブルを使う
45 I-V変換回路のノイズ電圧の計算のしかた
46 I-V変換回路では帰還抵抗Rfの値をできるだけ大きくする
47 高精度OPアンプを使用したI-V変換回路
48 微小電流回路では静電結合ノイズに注意した対策を行う

第5章 ロー・ノイズOPアンプ回路実践ノウハウ
49 ロー・ノイズ回路はノイズの周波数特性に注意する
50 ノイズ電圧の計算のしかた(抵抗値の定数決定がポイント)
51 CR並列回路のノイズは合成インピーダンスの抵抗成分で計算する
52 並列接続でノイズを小さくする方法
53 ロー・ノイズ回路で役に立つロー・ノイズ・パーツ
Appendix ノイズのRMS値とピーク値の関係

第6章 高速OPアンプ回路実践ノウハウ
54 汎用OPアンプと高速OPアンプのしくみの違い
55 高速タイプは電流帰還型OPアンプが主流
56 電流帰還型OPアンプはトランス・インピーダンスが大きいほど高精度
57 高速回路では信号振幅を無用に大きくしない
58 電流帰還型OPアンプ特有の注意事項二点
● 非反転アンプが基本
● 帰還コンデンサを付けると発振する
59 高速A-Dコンバータの入力には低ひずみ高速OPアンプを使用する
●コラムA● SFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)とは
60 高速OPアンプは容量負荷に弱い(容量負荷に強いOPアンプもある)
61 高速OPアンプの実装では浮遊容量に注意する
62 高速OPアンプの電源ピンには1個ずつバイパス・コンデンサを付ける

第7章 OPアンプの安定性/発振対策への実践ノウハウ
63 反転回路と非反転回路の安定度の違いはノイズ・ゲインで見る
64 OPアンプは入力容量で発振する
65 OPアンプは容量負荷で発振する
66 発振を位相補償によって止める
67 位相余裕を簡単に測定する方法
68 高ゲイン・アンプで位相遅れを小さくするにはOPアンプを多段直列する

第8章 OPアンプ増幅回路の実践ノウハウ
69 AC入力の高インピーダンス・バッファでは入力容量に留意する
70 単電源で差動アンプを動作させるときの工夫
71 差動アンプのコモン・モード電圧範囲を拡大する工夫
72 高ゲイン・アンプの周波数特性を確保する工夫
73 ロー・ノイズOPアンプを使ったプログラマブル・ゲイン・アンプ回路
74 低雑音が要求されるチャージ・アンプ回路
75 パワーMOSドライブには容量負荷に強いOPアンプを使う
76 単電源OPアンプが生きる加速度センサ用電源回路(3V/1.25A)
77 ロー・パワーOPアンプを使った高電圧安定化電源回路
78 信号の絶縁を行うときはアイソレーション・アンプを使用する
79 ロー・パワーOPアンプとフォト・カプラを使った電流ループ用絶縁アンプ

第9章 アッテネータ&フィルタ回路実践ノウハウ
80 AC入力用アッテネータでは周波数補正が不可欠
81 反転アンプでアッテネータを構成したいとき
82 高周波アッテネータは固定インピーダンスで設計する
83 アクティブ・ハイパス・フィルタには正帰還型回路を使用する
84 多重帰還型バンドパス・フィルタではQを大きくすることができない
85 Qの大きなバンドパス・フィルタはバイカッド型を使う
86 状態変数型フィルタとバイカッド型フィルタの使い分け
87 ノイズ分析に使う1/3オクターブ・バンド・フィルタ回路
88 高次フィルタにはLCシミュレーション型が効果的
89 無調整で作れる1/3オクターブ・バンド・フィルタ回路

第10章 非線形OPアンプ回路実践ノウハウ
90 ツェナ・ダイオードによる出力リミッタ
91 出力電圧に正確なリミッタをかける
92 リミッタ機能付き高速OPアンプを使った高速リミッタ回路
93 絶対値アンプのダイナミック・レンジを広くする工夫
94 単電源OPアンプを効果的に使った絶対値アンプ
95 RMS-DC変換回路は乗算器ICと組み合わせるとローコストになる
96 ピーク・ホールド回路に必要な小さな工夫

第11章 おまけの実践ノウハウ
97 ビデオ帯域用にはビデオ専用アンプも有効
98 ビデオ信号の切り替えにも汎用アナログ・スイッチが使える
99 10MHz以上のアナログ・スイッチにはPINダイオードが効果的
100 基準電圧を作るときの要注意事項…TL431の発振