コイルとコンデンサで作る
LPF/HPF/BPF/BRFの実際
LCフィルタの設計&製作
森 栄二 著
A5判 288ページ
定価2,970円(税込)
JAN9784789832724
2001年5月1日発行
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コイルとコンデンサで構成されるLCフィルタは,回路と定数値の設計によって,その特性(バターワース型,チェビシェフ型,ベッセル型,…など)と機能(ローパス/ハイパス,バンドパス,…など)を自由自在に決定することができ,低周波/高周波の信号選択からA-D/D-Aコンバータのプリ/ポスト・フィルタなどに多用されています.
本書では,正規化LPFの設計データをもとにして,通過帯域の特性や遮断周波数,入出力インピーダンスを自在に変換して必要なフィルタの回路と定数を求める方法を詳細に解説します.高周波回路設計のみならず,さまざまなアナログ/ディジタル回路設計に広く活用できる1冊です.
目次
第1章 フィルタは信号濾過器である
-- フィルタの種類と特性 --
1.1 フィルタの種類と名称
1.2 通過特性で分けたフィルタ名
1.3 現実のフィルタの特性
1.4 関数で分けたフィルタの型
コラム 本書で必要な数学
第2章 古典的設計手法によるローパス・フィルタの設計
-- 定K型/誘導m型LPFの設計応用 --
2.1 定K型ローパス・フィルタの特性
2.2 正規化LPF から作る定K型フィルタ
2.3 定K型正規化LPFのデータ
2.4 誘導m型ローパス・フィルタ
2.5 誘導m型LPF正規化データと設計方法
2.6 誘導m型と定K型を組み合わせた設計
2.7 誘導m型フィルタを使って整合性を改善するテクニック
第3章 バターワース型ローパス・フィルタの設計
-- 帯域内の通過特性が平坦で扱いやすい --
3.1 バターワース型ローパス・フィルタの特性
3.2 正規化LPFから作るバターワース型ローパス・フィルタ
3.3 正規化バターワースLPFの設計データ
3.4 バターワースLPFの素子値を計算で求める
第4章 チェビシェフ型ローパス・フィルタの設計
-- 帯域内リプルを許容して急峻な遮断特性を得る --
4.1 チェビシェフ型ローパス・フィルタの特性
4.2 正規化LPFから作るチェビシェフ型ローパス・フィルタ
4.3 正規化チェビシェフ型LPFのデータ
第5章 ベッセル型ローパス・フィルタの設計
-- 帯域内の群遅延特性が平坦な --
5.1 ベッセル型ローパス・フィルタの特性
5.2 正規化LPFから作るベッセル型LPF
5.3 正規化ベッセル型LPFの設計データ
第6章 ガウシャン型ローパス・フィルタの設計
-- 群遅延特性が通過帯域内からゆるやかに変化する --
6.1 ガウシャン型ローパス・フィルタの特性
6.2 正規化LPFから作るガウシャン型ローパス・フィルタ
6.3 正規化ガウシャン型LPFの設計データ
第7章 ハイパス・フィルタの設計法
-- LPFのデータを変換して素子値を計算する --
7.1 定K型LPFのデータから設計するHPF
7.2 定K型HPFの特性
7.3 誘導m型LPFのデータから設計するHPF
7.4 バターワース型LPFのデータから設計するHPF
7.5 バターワース型正規化HPFのデータ
7.6 ベッセル型LPFのデータから設計するHPF
7.7 ガウシャン型LPFのデータから設計するHPF
7.8 部品のインダクタを積極的に利用したHPF
第8章 バンドパス・フィルタの設計法
-- LPFのデータを変換して素子値を計算する --
8.1 定K型LPFのデータから設計するBPF
8.2 二つの中心周波数(幾何中心周波数)
8.3 LPFの特性との関連
8.4 BPF遮断周波数とノッチ周波数を計算する
8.5 型の違うBPFの特性を比較する
第9章 バンド・リジェクト・フィルタの設計法
-- HPFのデータを変換して素子値を計算する --
9.1 定K型LPFのデータから設計するバンド・リジェクト・フィルタ
9.2 バターワース型LPFのデータから設計するバンド・リジェクト・フィルタ
第10章 フィルタを構成する素子値を変換する方法
-- 適当な定数の部品を使って特性を実現するため --
10.1 素子値を揃える必要性
10.2 ノートン変換を使う
10.3 π-T/T-π変換
10.4 トランスを使う
10.5 バートレットの2等分定理
10.6 III型の回路を変換する
10.7 ジャイレータを使った変換
10.8 十分に大きい値のカップリング・コンデンサを追加して回路を変換する
Appendix A フィルタを作りやすくするためによく使う回路変換
第11章 共振器容量結合型バンドパス・フィルタの設計
-- 通過帯域の狭い用途に適した --
11.1 共振器結合型バンドパス・フィルタの設計方法
11.2 設計手順のまとめ
11.3 高周波のBPFを製作する場合の問題点
第12章 逆チェビシェフ型LPFの設計
-- 通過帯域が最大平坦で阻止帯域にノッチをもつ --
12.1 ストップ・バンド周波数と阻止帯域減衰量の関係
12.2 逆チェビシェフ型LPFの特性
12.3 正規化逆チェビシェフLPFの設計データ
第13章 エリプティック型LPFの設計
-- 通過域と阻止域の両方にリプルを許して遮断特性を改善した --
13.1 エリプティック型正規化LPFの設計データ
13.2 エリプティック型LPFの特性
第14章 アッテネータの設計と応用
-- インピーダンスを整合させて正しい測定をするために --
14.1 インピーダンス・コンバータ
14.2 T形,π形インピーダンス・コンバータ
14.3 アッテネータの設計
14.4 正規化アッテネータ/インピーダンス・コンバータ
第15章 コイルの設計と製作方法
-- 形状と透磁率から巻き数を求める --
15.1 空芯コイル
15.2 トロイダル・コイルを使ったコイル
15.3 ボビンを使った可変コイル
15.4 空芯コイルの設計データ
Appendix B 共振周波数測定治具の製作