Last Update 2021/06/29

24ビット D-Aコンバータから低雑音電源まで
TRSP No.130 ハイレゾ・オーディオの回路技術と製作の素

トランジスタ技術SPECIAL編集部 編
B5判 144(4C;16,2C;80)ページ
定価2,420円(税込)
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2015年4月1日発行
好評発売中!
TRSP No.130 ハイレゾ・オーディオの回路技術と製作の素

 ディジタル・オーディオの先がけとなったCDが発表されてから既に30年以上が過ぎました.現在,このCDのサンプリング規格(16ビット44.1kHz)を上回るハイレゾ・オーディオ(24ビット/96kHz,192kHz)と呼ばれる音源を再生し,高音質の音楽を楽しむことが可能になりました.本書では, このハイレゾ・オーディオに焦点を当て,使用されるデバイスの種類と特徴や回路技術を解説します.また,マルチ・ビット・ディジタル・オーディオ・データを直接再生する最新のスピーカとその回路技術「Dnote」も紹介します.

目 次


Introduction ハイレゾ・オーディオ入門

第1部 最新ハイレゾ・オーディオの基礎と製作

パソコンや半導体,インターネットの高性能化で様変わり
第1章 誕生 24ビット・ハイレゾ音源
CD誕生から30年 ディジタル音源の分解能は500倍以上に
音源の高分解能化とD−Aコンバータの性能向上
注目 これからのディジタル・オーディオ

CDの1000倍以上 滑らかディジタル・オーディオ
第2章 24ビット・ハイレゾ音源の誕生とその実力
ディジタル音源が生まれて耳元に届くまで
A-D変換の宿命…二つの雑音の発生
CD(16ビット,44.1kHz)vsハイレゾ音源(24ビット,96kHz)

ICの見分け方とマニアの定番品チェック
第3章 24/32ビット・ディジタル音源対応D-AコンバータICの研究
業界最高分解能は32ビット

D-AコンバータとパソコンをつなぐインターフェースIC
Appendix 1 ハイレゾ対応USB I2Sコンバータのいろいろ
192kHz対応の定番 TE8802L
モジュールが入手しやすい CM6631A
Linuxでの活用例が多い XMOS

黄金の組み合わせはアイソクロナス転送×アシンクロナス同期方式
Appendix 2 高分解能D-Aコンバータの性能を引き出すクロック同期技術
ハイレゾ再生のためのその(1)アイソクロナス転送×USB 2.0ハイ・スピードの選択
ハイレゾ再生のためのその(2)低ジッタ・クロック同期技術

イイ音を手に入れる
Appendix 3 24ビット・ハイレゾ音源の入手先調査
24ビット音源もダウンロードできる時代に

アンプも内蔵 入口から出口まで完全ディジタル
第4章 フル・ディジタル・スピーカ駆動IC Dnote7U
スピーカとパワー・アンプをディジタル化する検討
半導体の進化で高速化したDSPによる信号処理で対応
3〜8コイル・スピーカを信号処理で24ビット駆動するDnoteテクノロジ
24ビット,96kHzハイレゾ音源対応 Dnote7UとDnote7S
USB版Dnote7Uの評価基板で初体験

5,000円の手のひらLinuxボードと0円ハイレゾ対応OSで手軽に
第5章 Raspberry Piで作る24ビット・ネットワークJukeBox
Linuxコンピュータ・オーディオの幕開け
ネットワークJukeBoxの使い方
Raspberry Pi × Linuxで作る
オーディオ・データの流れとコントロール
主なパーツ
Raspberry Pi用ソフトウェアの下準備
ミュージック・サーバ用ソフトウェアを入れてスマホで再生操作可能に
ネットワーク経由で音楽データの共有やシャットダウン操作ができるようにする
スマホに入れるコントローラ用のアプリを入れて操作してみる
24ビット,192kHzのD-Aコンバータを試してみた

SACDに採用され,今世界中で注目されている
第6章 1ビット・オーディオ・フォーマットDSDの研究
研究1 DSDオーディオ信号の実際の波形
研究2 3種類のDSDオーディオ・フォーマット
研究3 DSDダイレクト再生のための規格誕生 USB接続D-A変換器が続々と
研究4 PCMの伝送方式に合わせて1ビット・データを送るフォーマットDoP
研究5 市販のΔΣ型D-Aコンバータ調査
研究6 USBとD-Aコンバータのインターフェース
研究7 DSD対応ΔΣ型D-Aコンバータの出力回路
研究8 1ビット量子化雑音を減らす「ΔΣ変調技術」と「オーバーサンプリング技術」
研究9 ハイレゾ対応ΔΣ型D-Aコンバータの内部信号処理

第2部 ディジタル・オーディオ用デバイスの研究

マイコンも専用電源もいらない 完成度の高い定番ICで作る
第7章 PCM2704で作るお手軽PCオーディオUSB DACヘッドホン・アンプ
PCオーディオ製作の定番USB DAC PCM2704
使い方
PCM2704の動作

11kHz付近で位相雑音が5dB改善される
Appendix 4 低ジッタ・クロック回路で高S/N 再生

PCオーディオ時代の高分解能音源を再生
第8章 192kHz/24ビット対応 D-Aコンバータ
192kHz/24ビット対応D-Aコンバータのいろいろ
I2S入力のD-Aコンバータ

Appendix 5 D-Aコンバータと組み合わせて使えるS/PDIFレシーバIC

第3部 ディジタル・オーディオの音をupgrade する

ハイレゾ・オーディオなどの実験に
第9章 低雑音&高安定固定出力&可変出力の4チャネル実験用低雑音電源の実験
回路設計
製 作
性 能

微細な音粒を取りこぼさずスピーカに届ける
第10章 まさかの落とし穴 研究 ボリューム調整とディジタル音源データのロス
ソフトウェア・ボリュームは分解能をスポイルする
最適なボリューム・コントロールとは
Windows XPのボリューム・コントロールのしくみ
Windows Vista以降の再生アーキテクチャ
アプリケーションが持つボリューム・スライダ

安定・安全・安心 アマチュアの工作と言わせない…
第11章 メーカ製に一歩ずつ近づく仕上げのテクニック
回路ごとに専用グラウンドを用意する
ノイズや干渉の発生メカニズムを知る
グラウンドはシャーシに接続する
各グラウンドを一点で接続する
パターンにスリットを入れて電源リプル・ノイズを抑制する
発振しにくいアンプに仕上げる
ヒートシンクで十分放熱する
パワー・アンプの直流オフセットを小さくする
温度検出回路で熱破壊から部品を保護する
アンプが直流を出力したらスピーカと切り離す
過電流を検出する
スピーカとアンプを切り離せるリレー式ミュート回路を入れる

パソコンのアプリケーションにもこだわろう
Supplement リッピング・ソフトウェアのいろいろ

第4部 [2015年版] オーディオ規格スッキリ便利帳

音の3要素から室内音響まで
Appendix 6 音の性質と定量化
音波の定義
聴感特性
室内音響

SN 比,ひずみから周波数特性まで
第12章 ディジタル・オーディオの測定法
測定規格
測定器の例
主要特性とその測定法

量子化,サンプリングからΔΣ変調まで
第13章 ディジタル・オーディオのキーワード
基本特性
音源のデータ・フォーマット
インターフェース規格
再生システム
ディジタル・アンプ

JEITAからRIAAまで
第14章 オーディオ関連規格
JEITA
AES
EBU
ITU
IEC
NAB
DIN
ISO/IEC JTC1(MPEG)
RIAA
JAS
IEEE

▲本書の各記事は,「トランジスタ技術」ほかに掲載された記事を再編集したものです.初出誌は各章の章末に掲載してあります.記載のないものは書き下ろしです.