低電圧で高速動作する小形回路に向けたバッテリ・マネジメントの考えかた
携帯機器用電源回路の設計法
弥田 秀昭 著
B5変型判 128ページ
定価1,980円(税込)
JAN9784789841269
2010年5月15日発行
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最近の携帯型の電子機器では,電子回路を構成する半導体デバイスの動作電圧が低くなり,動作クロックの高速化が進んできています.また電源回路は,その電子回路にエネルギーを供給する重要なユニットですが,それの占めるスペースや重量,発熱にも制限が強まってきています.さらに,携帯機器の動作時間を延長するため,効率的なバッテリ・マネジメントが求められています.携帯機器用のバッテリとして主流となりつつあるリチウム・イオン蓄電池をはじめとして,2次電池を利用する場合には,使用する2次電池に応じた充放電管理も必須です.携帯機器の電源回路には,負荷となる電子回路の進化とともに,さらなる進化が求められています.
本書では,乾電池や2次電池で動作する最新の携帯機器に向けた電源回路の設計法を解説します.
目次
プロローグ 携帯機器の電源ICに求められる機能と性能
電源回路のエネルギー源となる
第1章 電池とACアダプタの特性
1-1 電池の一般特性
1-2 代表的な1次電池の特性
1-3 ニッケル水素/ニッケル・カドミウム蓄電池の特性
1-4 リチウム・イオン蓄電池の特性
1-5 ACアダプタの特性
1-6 電池の種類の選択
回路方式の種類と要求される機能
第2章 携帯機器で使用される電源回路
2-1 リニア・レギュレータ
2-2 降圧型DC-DCコンバータ
2-3 昇圧型DC-DCコンバータ
2-4 昇降圧型DC-DCコンバータ
2-5 チャージ・ポンプ
2-6 負電源が必要な場合
2-7 表示器用電源
変動する入出力に高速かつ高効率に対応する
第3章 携帯機器で使用される電源に要求される特殊な機能
3-1 変動する入力電圧と低い出力電圧
3-2 電池を長持ちさせるために必要な能力
3-3 スイッチング制御方式
3-4 降圧コンバータで電池を最後まで使い切る能力
3-5 昇圧コンバータで電池を最後まで使い切る能力
3-6 自己消費電流
3-7 負荷変動や電池電圧の変動に対する応答特性
3-8 超小型化への要求
正常な動作を安定に維持するために
第4章 インダクタとコンデンサの選択
4-1 LCフィルタの選択と電源の安定性
4-2 インダクタの選択時の注意点
4-3 コンデンサの選択時の注意点
ノイズの発生するメカニズムと対処方法
第5章 スイッチング・レギュレータにおけるノイズ対策
5-1 ノイズの発生
5-2 ノイズの伝播
5-3 スイッチング・コンバータで放射されるEMIと部品配置の考えかた
5-4 コンデンサの選択
5-5 フィルタの利用
5-6 スナバのメリットとデメリット
小型パワー・デバイスの放熱設計の考えかた
第6章 表面実装型電源ICの許容損失
6-1 ICパッケージの小型化による許容損失の問題
6-2 放熱器の利用
6-3 プリント基板による放熱
6-4 放射型温度計による表面温度の測定
6-5 能力以上の過負荷をかけた場合の挙動
6-6 最終製品状態での過負荷試験
進化する携帯機器のバッテリ・マネジメント
第7章 リチウム・イオン蓄電池の充放電管理
7-1 リチウム・イオン蓄電池パックの構造
7-2 リチウム・イオン充電ICの基本動作
7-3 電池を内蔵した携帯機器の充電
7-4 変化するリチウム・イオン蓄電池の充電規格
7-5 リチウム・イオン蓄電池用チャージャの回路方式
7-6 電池内蔵型携帯機器用の最新充電IC
7-7 リチウム・イオン蓄電池の電圧範囲と高効率な昇降圧型電源IC
複雑化の進むバッテリ・マネジメントに対応
第8章 携帯機器用の電源回路を設計する際の注意点
8-1 昇圧コンバータでの問題
8-2 昇圧コンバータと降圧コンバータの接続時の問題
8-3 電池電源の降圧コンバータで100% ON動作時に発生する過渡応答特性の問題