Last Update 2019/06/21

撮像素子のドライブから信号処理/画像評価まで
CCD/CMOSイメージ・センサ活用ハンドブック

トランジスタ技術編集部 編
B5変型判 304ページ
定価3,080円(税込)
JAN9784789841252
2010年5月15日発行
好評発売中!
CCD/CMOSイメージ・センサ活用ハンドブック

 【日本図書館協会選定図書】


 CCD,CMOSイメージ・センサは,携帯電話やディジタル・スチル・カメラに搭載されたことから,ここ数年で高画素化や高画質化が一気に進みました.同時に価格も数百〜数千円と,こなれてきました.イメージ・センサとレンズを組み合わせたカメラ・モジュールは,今では秋葉原やウェブ上から,個人で入手できる部品の一つとなりました.
 技術的な難易度もずいぶん下がりました.一昔前ならアナログ回路に詳しい技術者の活躍の場だったのですが,イメージ・センサまたはその周辺ICからディジタル・ビデオ信号が出力されるようになったため,マイコン技術者,ディジタル回路設計者が扱えるようになったのです.
 このディジタル・ビデオ信号は,マイコンやFPGA,高速メモリを経由して,フラッシュ・メモリやハードディスクに書き込んだり,ネットワーク上のパソコンからモニタしたりできます.従ってユーザはカメラ画像を持ち歩いたり,遠く離れた場所から視聴したりできるようになりました.応用分野は,写真カメラとしての用途に加え,娯楽,自動車,ロボット,セキュリティ,遠隔地監視,テレビ会議など,挙げればきりがありません.
 本書では,これらの製品の開発に携わる方のために,イメージ・センサ周りの要素技術を整理し,その利用方法についてまとめました.イメージ・センサを搭載した製品を開発する技術者に必須の一冊です.

■ 第12章 記事中に掲載した写真をダウンロード(ZIPファイル 7Mバイト)
■ 第20章 記事中で紹介したプログラムをダウンロード(ZIPファイル 300Mバイト)


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目次

イントロダクション

第1部 イメージ・センサ素子の働き

 高速/部分読み出しが可能,高精細化に向く
第1章 CMOSイメージ・センサのあらまし
 1-1 歴史
 1-2 CCDとの違いと利
 1-3 動作概要
 1-4 特有の問題点「固定ノイズ」への対応
 1-5 そのほかの特徴

 高画質,高感度,多分野で圧倒的な使用実績を誇る
第2章 CCDイメージ・センサのあらまし
 2-1 センサ素子の動作
 2-2 電荷転送方式による動作の違い
 2-3 もっとも使われているIT方式の読み出し方と画素セルの構造
 2-4 カメラとして動作するために付加された機能
 2-5 カラー化の方法
 2-6 画素を増やす技術

第2章Appendix A CCDイメージ・センサの性能を表すキーワード
第2章Appendix B CCDイメージ・センサの歴史


第2部 イメージ・センサの出力信号

 イメージ・センサが出力するYUV422やRGB444を理解する
第3章 ディジタル・ビデオ信号のあらまし
 3-1 ディジタル・ビデオの用語解説
 3-2 輝度・色信号の並び順
 3-3 規格の種類と概要

第3章Appendix カメラやディスプレイに多く用いられているsRGBを理解する

 ディジタル・ビデオ信号の伝送に必要なデバイス間の取り決め
第4章 BT.601とBT.656の詳細
 4-1 BT.601は有効画素数や量子化レベルを規定する
 4-2 BT.656はコネクタ形状,ピン配置,電圧レベル,クロックなどを規定する

 ディジタル・ビデオ信号を観測して理解を深めよう
第5章 オシロスコープで観るYUV,RGB,RAW,BT.656の波形
 5-1 画像情報の圧縮に適したYUVフォーマット
 5-2 モニタ表示に適したRGBフォーマット
 5-3 センサ配列をそのまま出力するRAWフォーマット
 5-4 伝送のためのBT.656
 5-5 こんなときはこのフォーマット


第3部 イメージ・センサの駆動技術と信号処理

 電荷に変換された画像情報を取り出して信号処理ICに送る
第6章 CCDの制御技術と駆動回路設計
 6-1 1チップになった駆動回路
 6-2 駆動に必要な信号とその電圧
 6-3 駆動のタイミング
 6-4 センサ素子と駆動ICの接続
 6-5 知っておきたい豆知識

 駆動回路から得た生信号をカメラ出力として利用できる信号に補正・変換する
第7章 CCDイメージ・センサ出力の信号処理
 7-1 カメラ・システム全体の構成
 7-2 アナログ・フロントエンドの信号処理
 7-3 DSPにおける信号処理
 7-4 カメラの基本機能を実現するための信号処理
 コラム 赤外カット・フィルタの種類と光学LPFの役目

 解像感やコントラスト,色合いや彩度などをセンサと同一チップ内で改善!
第8章 CMOSイメージ・センサ出力の信号処理
 8-1 知っておきたいセンサの開発トレンド
 8-2 センサの特性を補うための信号処理
 8-3 カメラの性能を向上させる信号処理

 顔検出や動き検出などで撮影技術を自動的に向上させる
第9章 きれいな写真を撮影するための画像処理
 9-1 デジカメに欠かせない画像処理
 9-2 顔検出
 9-3 動き検出
 9-4 複数の画像を使ってきれいな1枚を作る


第4部 画質を左右するレンズの基礎とセンサの取り付け位置

 レンズとの距離や位置の関係から光学フィルタの役割まで
第10章 イメージ・センサの取り付け方法
 10-1 イメージ・センサと取り付けメカとの距離
 10-2 イメージ・センサと取り付けメカとの位置関係
 10-3 レンズの種類
 10-4 光学フィルタの種類
 10-5 メカ設計に必要な基礎用語

 ノイズや感度,画作りに大きく影響する
第11章 レンズの基礎と選び方
 11-1 なぜレンズが必要なのか
 11-2 レンズの基礎知識
 11-3 レンズの選び方
 11-4 レンズの種類と特徴
 11-5 イメージ・センサとレンズとの距離
 11-6 進化するレンズ


第5部 画質の改善と評価技術

 露出,ホワイト・バランス,色合い,シャッタ速度などの制御方法
第12章 きれいな画を取り出すためのカメラ設定
 12-1 カメラ・モジュールおよび評価環境の概要
 12-2 カメラ・モジュールのレジスタの初期設定
 12-3 画質設定の基本
 12-4 評価に利用する被写体あれこれ
 12-5 シーン別設定事例

 短時間で客観的に評価でき,検査装置に向く
第13章 数値を利用した画像の客観評価法
 13-1 評価の準備
 13-2 フォーカス/解像度の測定と評価
 13-3 色再現性の測定と評価
 13-4 階調性の測定と評価
 13-5 ノイズの測定と評価
 13-6 ディストーションの測定と評価
 13-7 シェーディングの測定と評価
 13-8 オート・ホワイト・バランスの測定と評価
 13-9 光軸ずれ検査
 13-10 しみの検出

 アナログ・カメラ時代からの手法で技術者の机上確認に向く
第14章 モニタやオシロスコープを利用した画像の客観評価法
 14-1 標準撮像状態
 14-2 感度
 14-3 解像度
 14-4 SN比
 14-5 シェーディング
 14-6 スミア
 14-7 ガンマ特性
 14-8 色再現性

 高精度なオート・フォーカスや露光にはメカとの連携が不可欠
第15章 カメラの自動調整のしくみと画像評価方法
 15-1 オート・フォーカスのしくみと画像評価
 15-2 オート・ホワイト・バランスのしくみと画像評価
 15-3 オート・アイリスのしくみと画像評価
 15-4 そのほかの自動調整機構


第6部 ドライブ・レコーダに見るイメージ・センサの周辺回路の設計方法

 カメラ開発を始める前に
第16章 動画像をメモリーカードに記録する技術要素を整理する
 16-1 拡大するメモリーカードの応用分野
 16-2 動画像をメモリーカードに記録するための技術要

 性能,開発工数,予算,入手性を考慮し仕様を決める
第17章 動画像記録システムのハードウェア構成
 17-1 性能を見積もる
 17-2 回路およびプログラム

 カメラ性能を大きく左右するキー・パーツ
第18章 カメラ・モジュールと記録媒体の選び方
 18-1 画素数や画質,価格で選ぶカメラ・モジュール
 18-2 画像の記録媒体の選択
 18-3 キー・パーツを相互に接続する

 画像サイズ,表示レート,デバイス間インターフェースなど
第19章 画像処理システム仕様策定のポイント
 19-1 画像の大きさと表示レート
 19-2 マイコンとFPGAのインターフェース 264
 19-3 何がシステムの性能を落とすのか

 YUV→RGB変換,データの間引き,SRAMインターフェースなど
第20章 FPGAによる画像処理回路の設計
 20-1 システム制御のためのステート・マシンを組み込む
 20-2 カメラ・モジュールからビデオ・データを取得する
 20-3 カメラ・モジュールからのデータを間引きSRAMへ書き込む
 20-4 画像データをSRAMに書き込むタイミングを生成する
 20-5 SRAMからの読み出しタイミングの生成
 20-6 YUV422信号をYUV444信号に変換する
 20-7 YUV→RGB変換とRGBパラレル→シリアル変換
 20-8 FPGAに搭載した回路全体の構成とシミュレーション
 20-9 トラブル画像の事例と原因