Last Update 2023/03/14

ソフトウェア開発で論理的な考え方をいかに応用するか
組み込みエンジニアのためのロジカル・シンキング入門

冴木 元 著
B5変型判 192ページ
定価2,420円(税込)
JAN9784789838061
2008年10月15日発行
[絶版2023.2.28] 組み込みエンジニアのためのロジカル・シンキング入門
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 本書は,「組み込みシステムでロジカル・シンキングしてみよう」というコンセプトの本です.組み込みシステムの実際の開発で問題となるような事例を多数あげ,どのような考え方をすれば解決策が導けるかを解説しています.
 本書には,筆者の鍛え上げたロジックと現場の経験による,組み込みシステムの開発のヒントと知恵が多数掲載されています.実際に組み込みシステムを開発されている方にも,これから開発をされる方にも役立つ1冊となるでしょう.

目次

はじめに

第1章 いかにしてバグの原因を突き止めるか
 1.1 ある日突然システムがハングアップ! さてどうする?
 1.2 現象を再現させる
 1.3 全体で100%になるイメージを描く
 1.4 yesかnoかで答えが出る設問を積み重ねる
 1.5 自分のブロックが原因かどうかを判定
 1.6 あらかじめ切り分けの手段を整理する
 第1章のまとめ

第2章 システム・デバッグのためのハードウェア基礎の基礎
 2.1 232回で止まる割り込み
 2.2 ハードウェア設定を対象としたデバッグの流れ
 2.3 アルゴリズムを実装する
 第2章のまとめ
 コラム ロジカル・シンキング雑感――「フェルミ推定から」技術者の暗黙知まで


第3章 必要とされる設計書の作り方
 3.1 設計書? 仕様書なら見たことがあるけどね…
 3.2 設計書に求められるものは?
 3.3 ブロック図を考える
 3.4 フローチャートについて考える
 第3章のまとめ

第4章 プログラミングにおけるよいデータ構造とは
 4.1 どこもかしこも外部変数
 4.2 外部変数の役割とは
 4.3 外部変数に対する解決策
 4.4 DSPソフト開発のデータ管理指針
 4.5 アカデミックな知識について
 第4章のまとめ

第5章 アルゴリズム論の落とし穴--テーブルの効用
 5.1 あるアルゴリズム・オタクの栄光と挫折
 5.2 テーブルでの実装を検討するとよい例
 5.3 ボタンの選択先を遷移させる場合
 5.4 テーブル化か? 演算実行か?
 5.5 状態遷移表のテーブル実装
 5.6 実装は臨機応変に
 第5章のまとめ
 コラム 「オブジェクト指向」が嫌いな理由

第6章 演算量を削って最適化設計
 6.1 性能が出ない
 6.2 最適化設計の考え方
 6.3 真の最適化を行うには
 第6章のまとめ

第7章 最適化設計とテスト
 7.1 最適化が新たなバグを引き起こす
 7.2 DMA転送とCPU処理の最適化
 7.3 コーディングしたらテストする
 7.4 「工程」から見た最適化設計とテスト
 第7章のまとめ

第8章 効率のよいテスト・ケースの考え方と作り方
 8.1 「ひたすら流すだけ」のテスト
 8.2 テスト・ケースの作り方
 8.3 テスト・ケースの分類と実施方法
 第8章のまとめ
 コラム オープン・ソースと企業内開発

第9章 ミスを引き起こさないバージョンの管理の方法
 9.1 直したバグがゾンビのごとく復活!!
 9.2 どうしてソースの管理ミスが起こるのか
 9.3 管理ツールを導入と運用
 9.4 大規模開発でのソース管理
 第9章のまとめ

第10章 形骸化しないソース・コード規約の作り方
 10.1 ソース・コード無法地帯
 10.2 具体的なコーディング規約を考える
 10.3 一般的なコーディング規約を考える
 第10章のまとめ

第11章 工程管理の虚像と実像
 11.1 工程なき開発
 11.2 工程管理の理想と現実
 11.3 「設計」工程に複数の段階は必要か?
 11.4 工程全体の管理に必要なこと
 第11章のまとめ

第12章 外注管理のいま
 12.1 外国人なんて大嫌い?
 12.2 外注管理の全体像
 12.3 品質に対する意識の差
 12.4 外注するかしないか,棲み分けの検討を
 第12章のまとめ
 コラム 国際社会とコミュニティ

第13章 工学の知とは何か
 13.1 現場の鬼と呼ばれて
 13.2 ロジカル・シンキングの概要
 13.3 ロジカル・シンキングの限界について
 13.4 工学的な考え方を定式化したロジカル・シンキング

 索引
 本書全体をとおした参考文献
 著者プロフィール